「何? 来いって言うの?」
「この流れで分かるだろ、早くこっちに来なよ」
真宙は悪態をつきながらペロスの言葉に従った。彼女が魔法陣の中に入ったところで空間が反転する。この時に周囲がまぶしい光に包まれた。真宙は思わず右手で両目をガードする。
「わっまぶしっ!」
この強い光はカメラのフラッシュのように一瞬で、すぐに明るさは戻ってくる。ただし、もうそこはさっきまでの場所じゃなかった。雰囲気でそれを感じ取った真宙は恐る恐るまぶたを上げる。
「こ、ここ……は?」
「ここがぷりんの家だよ」
どうやら大魔道図書館でぐるぐる回ったのは、ぷりんの家に辿り着くための儀式のようなものだったらしい。真宙は訳が分からなくなってしばらく呆然としてしまった。
「ペロス、何でこんな回りくどい……」
「本当は召喚主を魔導少女の家族に合わせるのはルール違反なんだよ。だから安易に会わせる訳には行かなかった」
「って言うか、そもそも私プリンの家族に会いたいとか一度も思った事はないからね?」
「じゃあどうする? 帰る?」
ペロスにそう言われた真宙はしばらく顎に手を当ててうつむくと、キリッと顔を上げた。
「ここまで来たんだもん、行くよ」
「そう来なくっちゃ!」
と言う流れで、真宙はぷりんの家のドアをノックする。この時、いつの間にかぷりんからの言葉が聞こえなくなっていた事を、真宙はまだ気付けないでいた。