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魔導少女ぷりん 第25話

 図書室の扉を開けた真宙は、その先にあった景色に不思議な親近感を覚えてしまう。見覚えのありすぎるその光景の正体を、先に部屋に入っていたペロスが口にした。

「ここ、見覚えがあるだろ? 導きの書の保管室だよ」
「ああ、あの館の書斎だ! 本当にそっくり」
「早く入ってこいよ」

 黒猫の誘いの声に真宙も躊躇なく部屋に入った。すると、突然外の世界に何かが起こったような感覚に襲われる。この違和感に彼女は動揺して顔を左右に振った。

「な、何?」
「やっぱりお前は適正者だな」
「どう言う事?」
「ほら、本を取れ」

 ペロスの言葉の意味が分からず、真宙は取り敢えずずらっと並んでいる本棚に目をやった。ぎっしりと並んでいる様々な本達。その密集具合は簡単に引き出すのが難しそうなほどだった。背表紙を見てもその文字が何かは分からず、勝手に触ってはいけない雰囲気を醸し出している。
 
「どうした、早く本を抜き取れ」
「ど、どれを?」
「お前なら分かるはずだ」
「えぇ……」

 ペロスの無茶振りに、真宙は本棚を大雑把に見渡してみた。一通り見てみたものの、その本が光っているとかそう言う分かりやすい変化はない。ただ、すごく興味を惹かれる本が一冊だけ目に止まる。

「あの本?」
「気になった本が波長の合う本だ。それを取れ」
「ふ~ん」

 真宙は言われるがままにその本の前まで歩いていく。そうして軽く引っ張ったものの、やはりギュウギュウに詰まっていてビクともしなかった。

「ふ~ん!」
「頑張れ! 資格を得るんだ!」
「何それ意味分かんな……わっ」

 目一杯力を込めていると、突然本は引っこ抜ける。その瞬間に、部屋に無数の数字が広がっていった。この突然の現象に真宙は驚いて言葉を失ってしまう。
 数字はやがて規則正しく並び、その中心にペロスが収まると、ちょこんと可愛らしく座った。そうして、招きに猫のように真宙を誘うのだった。

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