「あっ、真宙、大丈夫?」
「ぐえ」
ぷりんはぐったりしている真宙を激しく上下に振る。それで余計に気持ち悪くなった彼女は強引に腕を離して改めて地面に倒れた。
「ああ……地面が優しい」
「そうなの? 私もやる!」
誰もいない公園の地面に2人仲良く寝そべっている光景。通りかかった人が不意に目にしたらなんて思うだろう。いつもならすぐに冷静になって立ち上がる真宙も、今はそこまで思考を巡らす事が出来ない。寝転がったまま、ただただ精神と体力が回復するのを待っていた。
当然ながら、隣で一緒に寝転んでいるぷりんはこの行為を純粋に楽しんでいる。
「ここの大地エネルギーも安定しているね。私、真宙に召喚されて良かった」
「それはどうも」
2人が寝っ転がって5分が過ぎ、流石にそろそろ起き上がろうかなと真宙が考えたその時、公園に誰かが通りかかった。
「真宙? お前何やってんの?」
それは真宙のクラスメイトの男子、青木翔太だった。いきなり顔見知りに遭遇してしまい、真宙は顔をうつ伏せにして死んだ振りをする。そのまま無視をしていれば人違いだと思ってやり過ごせると考えたのだ。
しかし、ぷりんは逆にこの男子に興味津々。即起き上がると、体についた土もはらわずに翔太に急接近する。
「ねえ、あなた。真宙の友達なの?」
「えっ、そうだけど。お前誰?」
この展開を予想出来なかった真宙はじっと固まったまま、更に動くに動けない状態に。何故なら、起き上がると色々説明とかが面倒臭いからだ。とは言え、このままぷりんの好きにさせていたら何がどうなるか予想もつかない訳で。真宙は動くべきタイミングを考えて延々悩み続けてしまう。
そんな彼女の苦悩を知ってか知らずか、ぷりんはニッコリ満面の笑顔を浮かべると、翔太の前にスッと手を差し出す。
「私はぷりん、友達になろ!」
「お、おう……」
ぷりんと向き合った彼は反射的に手を伸ばし、そのまま自然に握手を交わす。その恐ろしいまでのコミュ力に、きっと自分の家族ともこうやって交流していったのだろうなと真宙はうつ伏せのまま想像を膨らませたのだった。