思いついて音楽をかける。新しい曲も良いけれど、気に入った曲を何度も聞くのも良い。 椅子に座れば机の上に、小さな喜び。 （食べ物系短編。パンケーキを焼く人）

肉を掴んで口へ運ぶ。それから米を一口。味は想定内で文句はない。下敷きになった野菜の萎び方だけは歓迎出来ないものの、そんなのは贅沢な話でしかない。 （食べ物系短編。ちぐはぐしながら…

一口二口、更には三口。 酒は良い。頭の中のピリピリとしたものを緩めてくれる。出来る事なら一生この状態でいたい位だ。 （食べ物系短編（飲み物）。男とチューハイと春の道）

いつだってそう。色々考えてみたって、正しさなんて分からない。やってみたって、完璧にならない。 そうこうする内に、どんどん大きくなっていく。出来るなら少し待っていて欲しい位。 （食…

また箸を動かす。レンゲを握る。麺を吸う。スープを飲む。葱の穴に箸が刺さる。取り残したコーンが沈む。器の白い部分が増えていく。 （食べ物短編。ゲーマー少女と味噌ラーメン）

鍋の中。 クツクツと音を立てながら果実が震えている。 （食べ物系日常短編。ジャムを煮る人。）

そこにいたのは偶然。 目に止まったのもやはり偶然。手に取ったのは、或いは運命。 私はそれを持ち帰ろう。 （食べ物系の短文。詩的、唯美調です。）

休日、午前。 紙の匂い漂う街に僕はいた。 （街歩きと饂飩と磯辺揚げ）

欲しい物は欲しい。嫌なものは嫌。美しいものこそ美しい。 その感情をどうして消してしまえる？ （白ワインと女性/湖畔にて）

ルカはスートのルームシェア相手で友達だった。共通点は少なかったものの、不思議と二人の気は合った。休日には一緒に買い物や食事をする程に。 他の友人達がシェアを解消したり酷い目に遭っ…

例えばそこに粉があるとする。 それが小麦から出来たものであり更に周囲で青のりが見つかった時、キャベツがあるかタコがあるか。 それによって人は選択をする事になるだろう。 （母と姉達…

酒の席の話は明日に忘れる。つまらない世間話の中身なんてそうであるべきだ。 （鍋と飲み会と男達）