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遊び方

絵は貿易国家エル・コルネ女王セラフィヌ=レメディオス=エル=コルネ
結構戦える。ヴァーレンス勢じゃないのに霊波動結構使いこなせる。
性格は物事をはっきり言うが、愛嬌もある女。
貿易国家エル・コルネには砂漠があるが、国土の5%だけである。
そしてネットゲームが盛ん。
プレイする方だけではなく、世界中に展開して運営する方でも。
その収益もバカにならないくらいある。特に友好国ヴァーレンスでネトゲ展開している。
女王の指示である。浮遊大陸ティルナノグのAIも駆使してネトゲの開発、運営の負担をやわらげている。
https://www.seaart.ai/ja/explore/detail/d56s6ble878c73b8svn0
踊る姿
プレビュー↓


 スタートライバルの三日目。
 この世界に降り立った者たちのレベルキャップは、新たに「50」という節目に引き上げられていた。
 かくいうミハエルは、相も変わらず最初の切り立った崖の下にいた。
 昨日、レティチュとさゆと共に飽きるまで飛び込みを繰り返した結果、彼のレベルは依然としてお寒い状況のままだ。
 しかし、彼の顔に焦りの色はない。
 むしろ、その視線は新たな獲物……もとい、仲間へと向けられていた。
「ねえ、そこの崖の上にあるんだってさ。金品質の武器がさ」
 彼は、ログインしてきたばかりの水鏡冬華と空夢風音を呼び止め、芝居がかった仕草で崖の上を指し示した。彼の声には、まるで世紀の大発見でもしたかのような、胡散臭い興奮がこもっている。
「ほんとに〜?」
 冬華は、ミハエルの顔と崖の頂上を交互に見比べながら、心底から疑念に満ちた声を漏らした。昨日、ミハエルがレベル上げもせずに一日中崖登りをしていたという話は、ギルドチャットで聞いている。その男が、今更になって武器探しのためのまともな情報を持ち出すとは、到底思えなかった。
「でも……三人称視点にしていても、下を見ると怖いです……」
 風音は、茶色の瞳を不安げに潤ませながら、自分のアバターを操作して崖下を覗き込み、小さく身を震わせた。
 彼女のセーラー服と千早を合わせたキャラクターが、おずおずと後ずさる。
 ウォーリアーという前衛職でありながら、その動きは見るからに心許ない。
「ゲーム内なんだから、落ちても死にはしないさ。気楽に行こうぜ」
 ミハエルはカラッと笑い、二人の背中を軽く押した。その笑顔はどこまでも親切で、頼りがいのあるギルドメンバーのそれに見えた。だが、その内側で渦巻く思考は、およそ音楽家のアバター名である「聖天使猫クラウリト」には似つかわしくない、極めて不純な欲望に満ちていた。
(パンツ見放題)
 そう、魂胆はそれだった。ヴァルキリーオンラインの可愛いSDキャラとは違い、スタートライバルはリアルな等身大のモデルを採用している。
 つまり、崖を登る彼女たちの背後からついていけば、その……絶景が拝めるという寸法だ。
 ネットゲームの世界であろうと、彼女らが妻であろうと、彼のスケベ心は健在だった。
 いや、現実のしがらみがない分、より純粋な形で発露しているとさえ言える。
 ミハエルは、心の中でほくそ笑んだ。昨日手に入れた『星砕きの剣』が、自分の職業(クラス)に合わせてひとりでに金品質のギターへと姿を変えたように、この世界の仕様は実に遊び心に満ちている。
 ならば、その仕様を最大限に活用するのが、プレイヤーとしての礼儀というものだろう。
 彼は、恐る恐る崖に取り付く風音と、やれやれといった顔で、しかしどこか楽しそうに軽々と登り始める冬華のその後ろから、そろり、とクライミングを開始した。
 ギルド『ヴァーレンスの胸』のチャットウィンドウは、今日も賑わっていた。
 それぞれのメンバーが、思い思いの方法で第三日目の冒険を開始している。

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