https://youtu.be/_5Bjm9mF4FU?si=AXlCm3bUUxydsa6s上がしてきたことの動画。下の絵は食っちゃ寝生活できない事でブラックヴァルキリー・カーラが愚痴ってる絵。どの方面にも能力はあるブラックヴァルキリー・カーラ。器用貧乏じゃなくて単純に器用。万能型。オールラウンダー。
ルルメール編プレビュー↓
数時間後、魔導列車は、まるで何事もなかったかのように、目的地の王都ルルメール中央駅に滑り込んだ。
プラットフォームに降り立つと、ぎらついた太陽と、ヴァーレンスとは異なる乾いた空気が肌を刺す。
我々を出迎えたのは、バルトロメオ=ロッソ=ヴィットリーが手配した黒塗りの魔導車だった。彼のファミリーは、この国ではそれなりの影響力を持っているらしい。
案内されたのは、街の中心に聳え立つ、雲を突くような超高層ホテル。ロビーは大理石と金で装飾され、下品一歩手前の豪華さが、いかにもルルメールという国の気質を物語っているようだった。
チェックインを済ませ、通された最上階のスイートルームは、一つの邸宅と呼んでも差し支えないほどの広さだった。分厚い絨毯が足音を吸い込み、巨大な窓からは、ミニチュアのような王都の街並みが一望できる。
私たちは、その中央に置かれた豪奢なソファに腰を下ろし、今後の対応について話し合うため、無言のまま私が口火を切るのを待っていた。
「さて……」
重い沈黙を破り、私は深く息を吐いた。一同の視線が、私に集まる。
「魔導列車でのトラブル、ご苦労だった。しかし、収穫は大きかった」
私の労いの言葉に、サリサが退屈そうに鼻を鳴らした。彼女にとっては、あの程度の戦闘は準備運動にもならなかっただろう。
「で、どうすんの? 今からあのアロハシャツの工場に殴り込み?」
その好戦的な問いに、私は静かに首を横に振った。
「いや。アンドロイド工場への突入計画だが、とりあえずアクシデントで十分データ取れたんで、予定から外す。先走る必要はない」
その言葉に、部屋の空気が微かに揺れた。クロードとサミュエルは、意外そうな表情を浮かべながらも、直立不動の姿勢を崩さない。
空夢風音は、僅かに首を傾げ、その真意を探るように私の瞳をじっと見つめている。
事前の計画では、ジャスティンの拠点を突き止め、速やかに制圧することになっていたはずだ。目的はアンドロイドの解析と、ジャスティンの動きの完全な把握。その計画を、私自身が覆したのだから、彼らが戸惑うのも無理はない。
「ミハエル団長、それは一体……?」
クロードが、代表して疑問を口にする。私は、テーブルに置かれた冷たい水の入ったグラスを手に取り、その縁を指でゆっくりとなぞった。
「トラブルの中で、我々は十分にデータを収集できた。あのアンドロイドの身体的特徴、戦闘アルゴリズム、そして何よりも、あの恐るべき学習能力……」
私の脳裏に、サリサとの攻防の中で、アンドロイドが見せた驚異的な適応力が再生される。弱点を突かれ、即座に戦術を変更する柔軟性。人間の心理的な隙を突く狡猾さ。それは、ただのプログラムされた機械の動きではなかった。
「そして、最も重要な収穫は、ジャスティンという男が、我々の想像を遥かに超えて警戒心が強いということだ」
私は、一度言葉を切り、一同の顔をゆっくりと見渡した。
「彼は、我々が彼の工場に興味を持っていることを、あの列車での接触で完全に察知しただろう。あの男ならば、既に何重もの罠を張り巡らせ、あるいは、もぬけの殻になっている可能性すらある。工場の引っ越しだな。建物に足生やしたみたいに」
ジャスティンの、あの全てを見透かしたような、それでいて愉悦に満ちた瞳。彼は、私との接触そのものを、こちらの手札を探るための情報収集の機会として利用したのだ。
その私の分析に、それぞれの者が、それぞれの形で反応を示した。
サリサは、あからさまに不満そうな顔で腕を組んだ。
「ちぇっ、つまんないの。せっかく暴れられると思ったのに」
彼女の関心は、常に狩りそのものにある。戦略や駆け引きは、獲物にたどり着くまでの面倒な手続きでしかない。
その隣で、水鏡冬華は、まるで最初から話など聞いていなかったかのように、魔導携帯端末の画面に視線を落としている。彼女の指が、高速で画面をタップし、何かのゲームのキャラクターが派手なエフェクトを放っているのが見えた。彼女にとって、この程度の作戦変更は想定の範囲内、あるいは、そもそも興味の対象ですらないのだろう。