今回のタイトル『第七官界彷徨』は女流作家尾崎翠の同名小説から拝借しました。
「第七官」とは五感(味覚や触覚など)や第六感(霊感)を越えた感覚を指す造語です。
この言葉を考えたのが主人公の詩人を夢見る少女で、少女は「第七官に訴える詩を書きたい」と望んでいます。
……と知ったような書き方をしましたが、自分が覚えているのはここまでです(苦笑)。
読んだのがはるか昔でストーリーをほぼ忘れましたが、とにかく「第七官界彷徨」というタイトルがあまりにも魅力的です。
後半女の子が第七官界をさまよう幻想的な場面があったような気がしますが、どうやらこれは自分の記憶違いのようです。
ですが「少女の異界彷徨」の幻想的なイメージが長く自分の中に残り、それが今回書いた小説の一エピソードとして開花(?)しました。
自分の小説で第七官界は人類がいる世界のとなりにある異空間で、ブラフマンやカルマといった異形の怪物のふるさとでもあります。
尾崎翠さんが聞いたら「ふざけるな!」と怒られそうですが、今回のエピソードが「第七官界彷徨」という強烈なオーラを放つタイトルから生まれた一滴なのはまちがいないです。
ですから尾崎さんに感謝するとともに、ここにご寛恕を願う次第です。
尾崎翠さん、なにとぞおゆるしください。
『アガルタのイオリ』第98話 第七官界彷徨
https://kakuyomu.jp/works/16818622176421206781/episodes/16818792438930527451