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『アガルタのイオリ』第65話 あゝ無情とレ・ミゼラブル

今回のタイトル『あゝ無情』はヴィクトル・ユーゴーの小説『レ・ミゼラブル』の邦題です。
原題は「悲惨な人々」で、邦題は黒岩涙香の翻案小説のタイトルです。
原題から少し離れていますが、いいタイトルです。

『あゝ無情』は最初の有名なエピソード

「長期間刑務所に入っていた中年男のジャン・バルジャンが出所後教会へ行く。ジャンは司教の銀食器を盗んで逃げる。ジャンはすぐ逮捕されるが司教は食器は彼へのプレゼントと警察にいってジャンは釈放される。さらに司教は残りの銀の燭台も与える。人間不信のかたまりだったジャンは感激して改心する……」

が強烈でした。
ジャンは一種の超人ですから、正直子どもとしてはあんまり魅力を感じませんでした。
自分が惹かれたのは司教のほうです。
もちろんジャンのような超人性は皆無ですが、子どもなりに自分の獣性を自覚していて、この獣性を癒すには

「司教のような人に会うしかない」

と思ったからです。
子どもなりに救いを求めていたのだと思います。
結局司教のような人物に、自分の人生では会えませんでした。が

「司教とジャン・バルジャンが出会ったときのような話を書くことはできる(はず)」

「いや書かねばならない」

「読者は関係ない。自分の魂を救うために」

そう思って日々駄文を書いております。


映画『レ・ミゼラブル』予告編
https://www.youtube.com/watch?v=VoCGLi82O7I

『アガルタのイオリ』第65話 あゝ無情
https://kakuyomu.jp/works/16818622176421206781/episodes/16818792436628120685

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