僕は旅人と名乗れるほどではないけれども、それでも普通の人よりは色々な場所に行って、色々な経験をしていると思う。
そんな僕が最近、辟易するというか、うんざりすること。
それは、やたらに『地物の食べ物』にこだわる人たちだ。
僕は2ヶ月ほど前、ホームレス生活で初めての静岡と懐かしの福島に行った訳だけど。
その際、静岡の滞在はたったの2日。いや、実際には1日も満たない。
鈍行で夜遅くに着いて、タリーズで充電しながら執筆をして、夜に公園で良い具合にエアスポットな公園で休みつつ、夜の散歩で駿河城を拝んだり、リアルホームレスを1人見つけたりして……あれ、一晩だけだけど中々に濃密だ。
けど、僕は地物を食べなかった。電車の切符の期限は4日間あったから、途中下車もできたし、最初はしようかなと思っていた。
でも、僕はそうしなかったし、地物を食べなかった。
そのことを母親にいったら、もったいないと言われた。
僕はその凡人的な思考に心底うんざりした。
凡人というのは、くだらないこだわりに支配されている。
旅をしたら、その先でしか食べられない、地物を食べよう。
まあ、その気持ちは分かるし、出来ることならそうした方が良いだろう。
でも、僕のスタンスとしては、旅は一期一会というくらいだし、ありつく食べ物も同じこと。
無理して地物を求めて時間と体力を浪費するのはナンセンスだ。
運よく良い感じのお店を見つけても、きっとそこは混んでいるだろう。
ましてや、今はコロナ渦で営業にも制限が掛かっている状態だし。
まず、結論から言おう。
俺に言わせれば、どんな地物よりも牛丼チェーンの牛丼が1番美味い。
今までの旅でも、ことあるごとにお世話になって来た。
あてもなく40キロ以上の歩く旅をして運よく漫画喫茶の個室に泊まれた翌朝に食べた牛丼が美味かった。
その静岡に鈍行で9時間をかけて夜遅くに着いた時に食った牛丼が美味かった。
別に地の物なんて食べる必要はない。その土地の味わいは、何も食べ物だけじゃない。
風景を見ることで、俺たちは十分に味わっている。
だから、無理して地物を食べようとか、ダルいことは言っていないで、そこら辺にある牛丼チェーンにしとけ。もしくは、ラーメン屋。
まあ、ラーメン屋は当たり外れがちょっとあるかもしれないけど、俺は今のところそんなクソまずいラーメンを食べたことがないから、まあ大丈夫だろう。
とにかく、くだらないこだわりは捨てた方が良い。そうすれば、無駄な時間も体力も消耗しなくて済む。
地物バカになるな。所詮は日本のメシ、そんな変わらねえよ。