まずは、まずは拙作をお手にとっていただいたすべての皆さまにお礼申し上げます。PVが自分史上すごいことになってます。今日だけで52PVあります。読者さんがいてこそ書き進められました。ありがとうございました。
ならびに、種々お手伝いくださった皆さまにも厚くお礼申し上げます。
よく、漫画家さんとかのあとがきで「スペシャルサンクス」みたいなやつがありますが、気持ちがよく分かります。この人たちがいなければ面白い作品にならなかったと思う、という作者の気持ちの表れなんだと思います。
第一部完了まで、連投しまくったにも関わらず、本当にありがとうございました。
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今日だけ、私は価値のある存在だ! 浮かれていいのだ!
よーし、マック行っていつもよりお高いバーガー買ってやろε=ε=ε=(ノ*>∀<)ノ
脳内パーティーの開催だ♪
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アルフェリムの持つ赤ワインのグラスと、ヴィサルティスの持つ白ワインのグラスがぶつかって、硬質な音を立てる。
「おめでとう。短期間で、やり遂げたな」
そう祝ってくれるアルフェリムに、ヴィサルティスは照れくさそうに微笑みながらグラスを掲げて見せた。
「ありがとう。まだ、何も終わってないけどな」
当面の課題は、母の罪の証拠を押さえ城内の勢力を塗り替えることだが、どうも婚約者どのはそれ以上の何かを企んでいそうだ。
「若いお嬢さんに振り回されるのも、いいもんだな」
「あー、俺も、もっと歳取ったら、そういう台詞が出てくるのかな」
ちら、っと横目で女性陣を眺めるアルフェリムは21歳。ヴィサルティスからすれば、「あの頃は若かった」と言いたくなる年齢だ。
「今を楽しんでおけよ、リム。俺は、現在のロアとの関係を居心地いいと感じているけど、彼女がつらいとき苦しいとき傍にいて、一緒に成長できればよかったな、と思わないこともないんだ。ま、おっさんのひがみだと聞き流してくれよ」
「……ありがとう。そうだな、若いうちに出会えたのも幸運だよな」
酒を片手に話が弾むヴィサルティスたちから少し離れたテーブルに、女性陣が集まっている。
もりもりもりもり――テーブルの上の料理を平らげていくのはアルナールだ。
「美味しい。作者《あいつ》もたまにはいいことするわね」
負けじと、食べ物を口に押し込むのはシェナ。
「ほぅふぇうね、ういあいぅいあいえお(そうですね、付き合い短いけど)」
ふたりとも、巨大なハムスターのように頬がパンパンに張っている。
ロアーナとシアンは、彼女たちの争いを避けて、自分の好きなものだけ食べている。
「でも、ちょっと物足りないな。ドラゴンのレアステーキないの?」
「ドラゴンって、美味しいんですか?」
「最高」
「作者ー。こっちにもドラゴン出してー!」
好き勝手なことを言い始めるアルナールをシェナを、呆れたように見つめるロアーナ。
「食欲で展開を決めるのはやめてください」
紙ナプキンで口元をぬぐうロアーナに、アルナールはにやりと笑った。
「食欲こそ、人生よ。ね、ロアーナも、クマの丸焼きとかどう?」
ロアーナは、小さく微笑んだ。
「そうね、浮気でも発覚したら、その日の晩餐はクマ料理にしようかしら」
びくっと、肩を竦めるヴィサルティス。
「いい考えね。浮気が発覚したら、こっちの晩餐は第二王子の丸焼きね」
滝のような汗を流すアルフェリム。
女性陣に背を向け、小声でヴィサルティスに問いかける。
「病めるときも健やかなるときも、という言葉があるが。丸焼きにされたときも、手を取り合って生きていくのが人生というものなのか……?」
「うーん、俺たちが悪事を働かなければいい話なんだが、誤解だって言っても聞く耳持たないからなぁ」
なにやら落ち込み始めたアルフェリムの肩を、レオニアスとウヌ・キオラスが交互に叩いている。
ヴィサルティスはくすっと笑い、心の中だけでアルフェリムを励ました。
(いい友達がいるだけでも、けっこう明るくなるもんだぞ、人生は)
ひとまず今夜は、仲間たちと一緒にいる時間を楽しもう。
ヴィサルティスは酔い覚ましの水を飲み干し、女性陣の輪に加わった。
<おしまい>
