「アンケート」完結いたしました。
拙作『アンケート』を最後までお読みいただき、本当にありがとうございます。
物語は、一通のアンケートメールから始まりました。軽い気持ちで答えた問いが、やがて藍都学園都市を舞台とする壮大な事件へと発展していく──その連鎖の中で、主人公・三枝美佳と仲間たちは、幾度となく「選択」を迫られました。
当初のプロットでは「破壊エンド」、つまり全てを壊すことで幕を閉じる未来も想定していました。しかし執筆を進めるうちに、キャラクターたちが自らの言葉と行動で「壊すのではなく、繋いでいく」道を選び取る姿が浮かび上がってきました。美佳の成長、純の葛藤、彩音が遺した“鍵”、そして仲間たちの想いが重なり合うことで、結末は自然と「融和エンド」へと辿り着きました。
本作におけるテーマは「問いと選択」です。
アンケートの一問一答は、ただのデータ収集にとどまらず、人々の心を映し出す鏡のようなものです。そして最後に答えるのは、他人ではなく自分自身です。たとえ小さな選択でも、それが未来を形づくる。藍都学園都市で起きた出来事は、その縮図でした。
執筆にあたり、登場人物たちには多くの試練を課しました。ときに残酷で、ときに迷いの深い問いもありましたが、彼らが最後まで諦めずに前へ進んでくれたことで、この物語を無事に完結させることができました。
もし読者の皆さまが、この物語を通じて「自分ならどう答えるか？」と少しでも考えてくださったなら、それ以上に嬉しいことはありません。
最後に。
『アンケート』は終わりましたが、物語の外側にいる私たち自身も、日々小さな「問い」に直面しています。そのたびに、壊すのではなく、繋ぐ方を選べるように──そう願って筆を置きます。
ここまで読んでくださったあなたに、心からの感謝を。