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peaceful days

 今から早朝の執筆活動に備えて寝ようとしていた矢先に、いきなり弟が家に押しかけてきたかと思ったら、モバイルバッテリーをくれた。
「よく新潟やら北海道に行ってるみたいだし、あった方がいいかなって」
 てなわけで、ハッピーバースデー――軽妙なその一言を聞いて、ようやく今日が自分の誕生日だと気付かされた。

 小さい頃ならば、「よっしゃ、また一つ年を重ねられた! 大人に近づいた!」って内心ガッツポーズをしていたものだ。なんたって、一つ年を重ねるイコール大人へのカウントアップ。18まで積み上げれば車の免許も取れるし、レンタルビデオ屋の奥深くにかけられている暖簾をくぐる事も許される。20になればお酒だって飲めるし、競馬の馬券だって買えるようになる。
 世界が広がる。自由が広がる。小学生や中学生の頃の自分は、毎年訪れる誕生日を迎えるたびに、見えない枷が外れるような感覚を抱いていた。

 なのに、そんな綺羅めいた感覚が一気に色褪せていったのは、いつからだろうか。就職浪人で心が折れた頃か。物書きとしての才覚が無いと自覚した頃か。バイトと家庭の往復にある程度満足するようになった頃か。
 いずれにせよ、今は年齢が一つ積み重ねたところで、特に感慨を抱く事は無い。今日38という数字まで刻んだ今年もそう。強いて言えば「もう婚期は過ぎ去ってしまったのだな」といった諦観くらいか。

 幸いにも、今はこうして祝ってくれる弟がいる。たまにお酒を酌みあったりする仲間がいる。更に仕事や趣味のランニングを通じて知り合った方々も増えた。孤独ではない環境に身を置けている事が一つの救いだなと思う。
 何よりこうして取り留めのない日記を打てているという事実に感謝して、今日もハコ書きに勤しむのである。



……とはいえ、ハコ書きだけではアレなので、適当にボツにしていた文章を近々アップします。

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