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少し、本音を話したいと思います。

こんばんは、『音に、音はない』第45話を更新しました。
https://kakuyomu.jp/works/16818792435869696813/episodes/16818792438741694062
今日の話は、自分では現実と甘さが交わったような一話かなと思っています。恋愛の部分は本当に気に入っています。

そして今日は少し別のことをお話ししたいです。
実は二人の方から、「誰かが私の作品を真似して心因性失声症をテーマにした短編を書いている」とコメントをいただきました。二人とも同じリンクを送ってくれたので、私も開いて読んでみました。
……正直、この病気を描写するとなれば、どうしても症状の表現が似通ってしまう部分はあると思います。ですから、それをすぐに「剽窃」と決めつけるのは、少し違うのではないかな、と感じています。

そして、私はそういうことはあまり気にしていません。もちろん剽窃は恥ずべきことだと思いますし、自分自身は絶対にしません。でもネットで小説を書いていれば、いろんな人がいるのは避けられないことですよね。

だから私のスタンスは「自分を信じて書き続けること」です。自分の言葉には魂があると信じていますし、それは誰にも真似できないものだと思っています。えへへ(ちょっと自画自賛かもしれませんね)でも大丈夫です、私は全然気にしていませんし、気分も落ち込んでいません!ありがとうございます!

それに、もし私の小説をきっかけに、この病気に関心を持ってくれる人がいるのなら、それはそれで意味があることだと思います。

そもそも私自身も、ある出来事をきっかけに、特定の場面で声が出なくなった時期が少しだけありました。本当に短い間でしたが、そのときの「声が出ない恐怖」を音羽というキャラクターに投影したので、リアルに描けている部分があるのだと思います。
でもこれはあくまで虚構の物語です。確かに私の影はあるけれど、それは私の体験そのものではありません。

この物語は恋愛小説ではありますが、私が何度も強調している根底のテーマは「人は必ず自分自身を救わなければならない」ということです。

これは私が一番強く感じてきたことです。
愛してくれる人や、大切な人がそばにいてくれることには心から感謝しています。でも結局のところ、人生は戦いで、自分の足で立ち上がらなければならない。不公平に屈してはいけないんです。そしてきっと、年を取ったときに振り返れば、今の悩みなんて取るに足らない小事になっているはずです。

私にとって最高の恋愛とは、自分自身を直視できる二人が、共に太陽へ向かって成長していくものだと思います。

そして、なぜこの作品にこれほど気持ちを込めているのかといえば――私は恋愛小説も現代小説も得意ではなく、だからこそ登場人物には現実の知人の影を重ねているからです。私を助けてくれた先生もいれば、私を傷つけた先生もいます。短髪でダンスが好きな友人も実際にいます。そして澪のように、過去に深い痛みを抱えながらも、懸命に生きている人を私は知っています。

だからこそ、だんだんと私は「もっとリアルに書きたい」と思うようになりました。
なぜなら、物語に出てくる人たちは私であり、そして読んでくれるあなたの周りの誰かかもしれないからです。
もしかすると、あなた自身が音羽であり、澪なのかもしれません。だから私は、キャラクターの容姿を細かく設定しませんでした。物語の主人公は、もしかしたら「あなた」かもしれないからです。

でも大丈夫。人は必ず立ち上がれるし、美しいものを抱きしめられるんです!

失声は病理的な理由もあれば、不公正やいじめを受けて声を上げられなくなることもありますし、もっと深い心理的理由で「話したくない」となることもあると思います。
それでも私は、言葉には必ず価値があると信じています。
私の小説を通して、春・夏・秋・冬、夜空、日の出や日の入り、花の咲く景色や雨の降る音……そうした自然をあなたに見てほしい。文字が織りなす光景を、目の前に広げて証明したいのです。「言葉は美しい、だから自分の言葉を諦めないで」と。

身体と心の健康こそが、最高の幸せです。

そして、もし病理的に声が出ないとしても大丈夫。表現の方法は他にもたくさんあります。音楽でも、ダンスでも、文章でも――きっと私の想像もつかないような表現が、この世界にはたくさんあります。
それらはすべて、あなた自身の「美しさ」になるのだと思います。

最後に――どうか来週も素敵な日々を!
第45話のテーマを借りて言うなら、私はあなたがもっともっと勇敢になれるよう願っています。

17件のコメント

  • この作品は興味ふかい。
    「声を失った少女」と、「心を閉ざした少年」の物語、まだ最新作の第45話まで楽しめそうです。ゆっくり読みたい。
  • 今、とても辛くて。
    上手く言えませんが、励まされました。ありがとうございました…!!
  • Web小説でパクリパクられ問題は難しいところがありますよね。
    皆が使い古してテンプレと言われているようなものもあったりしますし。
    同じ心因性失声症をテーマにしても、異なる展開、感情、解決法等描けているなら、パクリとまでは言えないかもしれない。
    展開が同じだったり、果てはセリフが同じだったりはアウトですけど。
  • 素敵なお考えだと思います。どうか無理だけはせず、これからも執筆頑張ってください。
  • 🍦✿モンテ✣クリスト✿さん、こんばんは。
    今回書き終えてみて、しばらくは現代ものは書かない気がします。どうも自分は現代も恋愛もあまり向いていないみたいで……現代を書くと、どうしても現実での観察をたくさん持ち込まざるを得なくて、TOT 正直大変すぎます。
    やっぱり古代を舞台にした小説の方が、自由に表現できる余地があって書きやすいですね。

    でも、この小説から少しでも楽しさや勇気を受け取ってもらえたら嬉しいです。ありがとうございます!来週も楽しく、そして順調に過ごせますように!


    🌸深山心春さん、こんばんは。
    今どんなことで悲しい気持ちになっているのかは分からないけれど、こう考えてみてください!
    あなたは小説も書けるし絵も描ける、それってすごく素敵で嬉しいことです。もし悲しい気持ちになったら、絵を描いてみてください。きっとそこから新しいアートが生まれると思いますよ。

    🐶悠樹さん、そうですよね、私も同じ考えです。今日「病症の描写が同じだ」とコメントをいただいたんですが、見てみたら確かに似ていました。でも、まあ、それって同じ病気なんだから仕方ないですよね〜

    悠樹さん、『アラバインの竜王2』頑張ってください!私は今、1を読み始めましたよ。


    🌷里惠さん、こんばんは!
    私も同じ考えです。人がどうするかよりも、自分自身をしっかりと保つことが一番大事ですよね。自分がもっと努力すれば、きっとすべては良い方向に向かうと思います!
  • People can copy ideas, but not the feeling behind the words.

    I think the feeling change according to the way you use the words.

  • Yeah, I feel the same way. Everyone’s writing carries its own warmth and imagery. I’ve always felt that flowers and plants have their own life, and I believe words do too. Wishing you a happy and healthy week ahead!
  • 栗パンさん、素敵な心境報告ありがとうございます!
    小説を書く意味の素晴らしさを知りました。
    感謝します。

    また、このお考えは色んな人の心に届けたいと思ったのでXでも紹介させていただきました。

    応援しています!
  • ジュン・ガリアーノさん、こんばんは。
    ちょっと恐れ多い気もするんですが、今日はあの二人のご厚意に少しお返事をしただけなんです。
    それに、もし誰かがこの病気に本当に関心を持ってくれるなら、それはそれでとても良いことだと思っています。やっぱり誰にとっても、心身の健康は大切ですからね。
    ありがとうございます。来週もどうか順調で、健康で、そして楽しく過ごせますように!
  • 失礼承知で書かせて頂きたい。
    はじめて栗パンさんの本音というか、人間味のある言葉に触れた気がしました。
    語弊もあるので言い換えるとすれば、私が「漸く触れられる部分がみえた」というべきかもしれません。
    人はそれぞれ抱えているものや経験したことは違うし、それをうまく隠したり壁を作ったり、または道化を演じてその場を切り抜けたり、それこそが処世術というものでしょう。
    栗パンさんを「言葉の奇術師」と評したのは、私なりの作者像を表した言葉でした。

    「人は必ず自分自身を救わなければならない、自分の足で立ち上がらなければならない。」
    この解を導き出すということは、何度も挫折と絶望、その中から希望や幸せを見つけ出し、俯瞰視のできるところまで浮上した証です。

    それは誰が剽窃しようとも小手先では真似のでき得ぬものです。魂に刻まれた重みが違うのです。

    栗パンさんの文章を紡ぐ知性の高さに私自身はかなり敬遠しておりましたが、作品に対する情熱や背景を知り、どうしてもコメントを書きたい衝動に駆られてしまいました。
    執筆、心より応援しております(雪の刃がまだ読みきれん…)
  • 自分は裏切らないと思います。
  • 洗浄のペロリストさん、おはようございます。
    コメント、本当にありがとうございました。とても感動しました。
    「敬遠」と言われて、こちらこそ身が縮む思いです。
    そういえば読んでくださっているのは『雪の刃』ですね。あれは、たぶん私の作品の中でも一番わがままで、一番読みにくいものだと思います。注釈を入れようとか、読みやすくしようとか、そういう工夫をまったくせず、ただ自分が表現したいものを全部詰め込んでしまった作品なんです。だからこそ、あとから長い間反省もしました。読んでくださる方にとって分かりにくいのは、本当に残念なことでした。

    でも、他の作品はもっと読みやすいと思います!(笑)
    『百妖百酒』は古風なので多少難しいかもしれませんが、同じく中華古風の『転生林黛玉』は完全にギャグ寄りで気楽に読めますし、いま連載中の『音に、音はない』は現代ものなので、とても読みやすいと思います。『異世界猫島』もきっと読みやすいはずです。

    最初の作品をあんなに難解にしてしまって、申し訳ないです……でも、そんな作品に真剣に向き合っていただけて、本当に嬉しいです。ありがとうございます!
    どうか今週も健康で、楽しい日々をお過ごしくださいね。
  • 霧原零時さん、おはようございます!
    私は少し現実的に考えすぎるところがあって、人はどうしても裏切ったり、自分を傷つけたりするものだと思っています。けれども、最終的に大切なのは、自分が自分に対して胸を張れるかどうか、問心無愧(もんしんむき)でいられるかどうか、だと思うんです。
    今週もどうか楽しくお過ごしくださいね!
  • ちょっと気になって、カクヨムで失声症を扱った作品がどれくらあるか見てみたのですが、
    結構数はありましたね。

    パクリかそうじゃないかは、本人が認めない限り、
    証明が難しいと思うのですが…
    栗パンさんが仰る通り、
    気にせず、自分自身が書きたいものを追求するのがいいと思います。

    まぁ、もしパクリだったとしたら、
    やった本人が良心の呵責に苛まれることになると思いますので…
  • 蒼風さん、碧さん、私も気になって心因性失声症で検索してみたら、10件しか出てきませんでした。昨日いただいたリンクの作品はまだ含まれていないものでした。昨日ご連絡をいただいたのは、きっと最近の作品だからかもしれませんね。症状の描写や学校での設定が私の作品と少し似ている部分もありましたが、私はあまり気にしていません。

    それよりも、その10件の中には実際にこの病気を経験した方の日記のようなものもありました。それを読んでいると、ご本人が苦しんでいるのだと思うと胸が痛みます。どうか彼らが少しずつでも良くなっていきますように、と願っています。

    やはり、実際にこの病気で苦しんでいる人がいると知ると、とてもつらい気持ちになります。
  • まだ本編を読んでいませんが、人生観や作品に対する見方が似ていると感じたので、コメントさせていただきます。

    私自身はキャラクターの生まれから最期までを予め決めてから、「世界」に登場させておりましたので、近くの誰かを投影するまではいかずとも、その世界で生きている人物という部分では類似しているのでは…と勝手に感じておりました。

    苦しみを超え、生き続ける。

    誰にでも出来ることではありませんが、生きるとは元来そういうものではないかと感じております。

    時間があれば、本編を読ませていただきます!
  • 落花生さん、こんにちは。
    「苦しみを超え、生き続ける。誰にでも出来ることではありませんが、生きるとは元来そういうものではないかと感じております。」
    この二行、本当に素敵なお言葉だと思いました。
    ちょっと恐縮してしまうのですが、私は毎日の気持ちをそのまま物語に乗せているだけで、落花生さんのように明確に考えてから書いているわけではないんです。
    ただ、悲劇は書かない、そして女主人公を決して弱々しくはしない──それだけは最初から決めていました。えへへ。
    本当にありがとうございます。どうか今週も幸せで楽しい日々を過ごせますように!
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