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火は、語らず。

以下は、畢方《ヒッポウ》に捧げる詩です。

ちょっとだけ宣伝させてください。
明日で、彼の物語は幕を閉じます——
https://kakuyomu.jp/works/16818622177275768136/episodes/16818622177736460765
ぜひ、彼に会いに来てください。

空を裂いて
火は翔ける
朱の羽根を広げて
帰る場所を探すかのように

温めたかったのか
燃やしたかったのか
焰は語らず ただ 風に歌う

妖の火は 咆哮する
けれど 決して 触れぬ
爪も牙も 恐ろしい姿も
その本質は 恐怖の嘘かも知れぬ

人の火は 染み込む
音もなく 形もなく
それでいて
心の奥を 黒く 焦がしてゆく

誰が火を恐れる?
誰が火を抱く?
その手に宿したものが
温もりか あるいは終わりか

空を舞う鳥よ
おまえの火が 迷いを照らすように

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