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【宣言】王熙鳳、『転生林黛玉の憂鬱』にて「完璧な和離」と「美しい転身」へ!

今回、作中で取り上げた「和離」という概念は、古い時代の文献にもきちんと記載されています。
最も古いものでは『唐律・戸婚』──
「諸犯義絶者離之。若夫妻不相安諧而和離者、不坐。」
(義理に背く重大な罪を犯した場合は離縁とする。もし夫婦が互いに和合できず、自主的に和離する場合には、罪には問われない。)

また、『放妻書』には、こんな一節が記されています。

「凡為夫婦之因, 前世三生結緣, 始配今生之夫婦。若結緣不合, 比是怨家, 故來相對……既以二心不同, 難歸一意, 快會及諸親, 各還本道。願妻娘子相離之後, 重梳嬋鬢, 美婦娥眉, 巧逞窈窕之姿, 選聘高官之主。解怨釋結, 更莫相憎。一別兩寬, 各生歓喜。」
(夫婦とは、本来、前世三生にわたる深い縁によって結ばれ、今生で巡り会うもの。
しかしその縁が浅く、もとより怨みを宿した者同士であれば、結ばれることなく、ただ顔を合わせるのみ。
すでに心が離れ、一つになることが難しいなら、親族立ち会いのもと、それぞれ本来の道へと戻るべきです。
願わくば、離別した後は、娘子よ、美しく髪を整え、優雅に眉を引き、新たな縁を結び直してほしい。
怨みを解き、縁をほどき、二度と互いを憎み合うことなく。
一度別れたなら、広い心で、それぞれの幸福を目指しましょう。)

──そんな、潔くも温かな決別の思想が語られています。

とはいえ、実際の歴史上では「和離」はごく限られたものにすぎず、
特に宋代以降、宗室や高官に対しては非常に厳しい制限が課されていました。
清代に至っては、吏部に登録された官員が和離を望む場合、
封誥の剥奪、財産の一部返還、さらに刑部による厳格な調査を経なければならず──
単なる「不仲」だけでは、決して許されるものではなかったのです。

今回のエピソードは、そんな「和離」の精神を私なりに咀嚼し、
王熙鳳という人物に重ね合わせ、大胆に編み直したものです。

ここから、王熙鳳は変わります。

もう誰かに縋るために生きる女性ではありません。
もう、愛憎に心を縛られる女性でもありません。

──これからの王熙鳳は、「己の意志で、己を祝う」女です。

そしてここで、王熙鳳のイラストを初公開します。

冷たくも、艶やかでも、気高くも──
でも、どれにも偏らせたくはありませんでした。

私が最後に選んだのは、ただひとつ。
「軽舟已過万重山」、
すべてを越え、静かに微笑む、その姿です。

背景には牡丹を描きました。
牡丹に込めた想いは、第四十五話の後書きでも触れましたが──
この花こそ、今この瞬間の王熙鳳に、ふさわしいものだと、私は信じています。

──未来を、どうか見届けてください。

ここに、宣言しておきます。
原作で命尽きるはずだったその日、
私たちの物語では、王熙鳳は必ず「完璧な和離」と「美しい転身」を遂げます。

ここまで読んでくださったあなたに、心からの感謝を。

そして──
この物語は現在、ドラゴンコンに参加中です。
あなたの「ひとつの読み」「ひとつの♡」「ひとつのコメント」「ひとつのレビュー」、そのひとつひとつが、私にとって何よりの力になります。

どうか、これからも一緒に歩んでください。
最後まで──王熙鳳と、この物語の行き着く先を、見届けていただけたら嬉しいです。

本当に、ありがとうございます。

2件のコメント

  • なるほど!性格の不一致だけでは離婚できないのですね。
    王熙鳳、気高い女性って漢字です!
  • 加藤さん、そうですね。当時は、たとえ現場を押さえたとしても、逆に「濡れ衣だ」と言いがかりをつけられる可能性すらありましたよね。
    やっぱり、時代背景も大きかったんだと思います。
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