熊谷　柿

紀元前５１５年――。大陸では邪の権化、蚩尤が復活した。悪事を働く性悪と妖しを成敗する旅の途次にあった方士の介象と師の元緒は、巨大な地震と共に邪気が世を覆ったことを悟る。先代の介象…

西暦二一五年の後漢末、意気盛んな諸葛恪は、弟妹と家の繁栄を誓い、領主による数々の難題に応える。そのような折、奇妙な亀が領主に献上される。諸葛恪は奇妙な亀の対処法に応えるものの、ど…

西暦一八四年――。許氏の邑が黄巾の乱により荒廃する。邑の再興を誓った許淵は、息子の許褚らと防衛に特化した塢を築くが、黄巾賊の残党に襲撃される。許褚らの活躍により賊を退けるが、残党…

呉王の座を捨てた余祭は、宝剣の干将と莫邪、そして、青鋼剣の眉間尺を佩び、放浪の途次で方士の介象と再会する。介象は次代の方士へと余祭を導こうとするが、余祭は頑なに肯んじようとしない…

方士の介象は、干将、莫邪、眉間尺の三振りの剣を佩び、師の元緒と放浪している。呉の領主だった孫堅の長子、孫策は、父の遺志である中華統一に夢を抱き、次男の孫権が父の事業を継承していた…

今より2500年前の中国春秋戦国時代、楚と呉の凌ぎ合いの狭間で起きた、干将と莫邪という鍛冶師夫婦、そして、その子干赤の悲劇により、二振の宝剣は同じく悲劇に見舞われた呉の太子、余祭…