映画を観たのが一昨日なので、僅か二日で読み終えました。
映画については、前ページ参照でお願いします(ネタバレがありますので、読まなくても大丈夫です)。
著者の七月隆文さんは知りませんでしたが、電撃文庫出身のライトノベル作家さんだったんですね。
電撃文庫は『キノの旅』シリーズを読んでいたので、何となく懐かしく感じました。
文体は……、まぁ、ライトノベル出身の作家さんなので、かなり砕けた感じで、現代の日本語最先端な感じですが、ほんのアクセント程度なので、ライトノベルを知らない方でも読みやすいと思います。
現代作家の中には、ライトノベル自体を否定(重厚な文学じゃないという意味で)する方もおられますが、児童文学作品と直木賞文学作品の中間、と考えれば、そう見下げたものでもありません。
ライトノベル自体に拒否反応が出る方は、ちょっと受け入れにくい表現もありますが。
こちらが原作だけあって、映画にはなかった場面や台詞が満載ですが、私は映画より原作が好みです。ストーリーの大筋は同じなので、どちらも同じといえば同じなんですけど。
七月氏の感情表現と言葉のチョイスが、本当に絶妙に私好みなんですね。
ほくほくした、とか、円い光、とか。綺麗なんです、一枚の絵のようで。
ストーリーは映画で知っているので、最初は流し読み感覚でしたが、的確な言葉で感情が伝わるので、苦しくて切なくて、泣かずにはいられませんでした。
私はどちらかというと、お堅い文体の作品を好むし、自分の作品もそうなんですが、表現の幅が狭いのは感じているので、この豊かさに脱帽です。
来年はケータイ依存の割合を減らして、良作に触れたり、自分の作品のための勉強をしたり、充実した時間を作ろうと思わせてもらいました。
そして、一作は完結させて公開したいです。