戦は、いつも前触れなく始まる。
だが本当は、
そのずっと前から――
人は立つ場所を選ばされている。
守られる側に留まるのか。
それとも、踏み出すのか。
力があるかどうかではない。
勇気があるかどうかでもない。
問われるのは、
それでも行くと決められるか、ただそれだけだ。
この日、王都で証されたのは、
勝敗ではなく、
誰が戦場に立つ資格を持つのかという一点だった。
武は、振るわれて初めて価値を持つのではない。
覚悟と共に示されてこそ、
初めて“武”になる。
――それが証されるのが、このときだった。