昨日開催されたNFLWeek16。
ロサンゼルス・ラムズとシアトル・シーホークスの試合は、地区ライバル同士の決戦であると同時に、NFCのトップを賭けた文字通り天王山と言える試合でしたが。
この試合で何とも脱力ものと言いますか、珍プレーと呼ばれるようなプレーがありました。
最初はYoutubeにあるショートハイライトの映像で「過去一にクレイジーな2点プレー」とタイトルにあったので、「何だろう」と思って観てみたのですが。
30-22で負けていたシーホークスが最終クォーターの残り6分でタッチダウンを奪って6点追加。30-28になりました。
で、タッチダウンを取った後はボーナス点を狙えます(ラグビーでトライの後にキックを蹴るようなもの)。
これが二つありまして。確実性の高いキックで1点を取るか、ゴール前からのワンプレーでタッチダウンを取って2点を取るか。
30-28に追い上げたシーホークスは当然2点プレーを狙います。
迎えた2点プレー。
シーホークスのQBダーノルドは横にいる選手にパスを投げ、彼を一気に走り込ませようとしたのですが、このパスがラムズのディフェンスの選手に当たってゴール側に跳ね返りました。
別のディフェンスが取ろうとしたものの取れずにボールは転がります。
パスを取れずに地面についた場合、パスインコンプリートで失敗。
この時点でラムズの選手は一安心。
シーホークスの選手は「あ~あ」という様子で、エンドゾーンまで転がったボールを拾い上げて落胆していますが、残りまだ6分あるので気を取り直すしかありません。
で、この一連を見終えた直後の私は、「普通のパス失敗だけど、これの何がクレイジーなんだ? この展開で安易なパスを狙ったことがクレイジーなのかな?」と思いました。
ただ、そのシーンを何度も繰り返し流す。
「何をやってんだ?」と思ったわけですが、そのうち英語音声で「これはバックパスではないか」と言うのが聞こえてきました。
アメフトにおいて、パスは前に投げるものであり、後ろ(厳密にいうと並行までOK)に投げるのはパス扱いにはなりません。
このあたりはアメフトも一応フットボールであり(トランプさんは最近「フットボールはサッカーだけだ」と言いだしましたが)、オフサイド的な感覚なわけですね。
で、バックパスが当たったりして転がった場合、これはルーズボールとなりまして拾った側が確保したことになります。
ということは、「パス失敗か、あ~あ」と落胆して相手エンドゾーンでボールを拾い上げた行為は、シーホークスがルーズボールを確保した行為となり、それがエンドゾーン内だったので実はタッチダウンになる。
実際審議の結果そうなりました。
クレイジーというよりは、脱力もののプレーというわけでしたが、中々面白いプレーではありましたね~。
これで同点に追いついたシーホークスは延長まで持ち込んで勝ちました。
ここでもラムズに先にTDを取られて、シーホークスはTDを取り返すうえに2点決めにいかないといけないという苦しい状況でしたが、見事にそれを成し遂げての勝利。
試合そのものは頂上決戦と言うべき凄い試合でしたが、その中のキープレーがこの脱力モノのプレーだったあたりも含めてクレイジーとは言えそうです。
クレイジーというよりは脱力って感じでしたけどね。