• 異世界ファンタジー

第十七話について

飛ばしていた第十七話についても振り返ります。巻物の謎解き回です。読めない文字が書きつけられていた家伝の巻物ですが、主人公は前世知識で暗号と見抜いて解いてしまいます。ちょっとずるいですね。

作中にも出てきますが、ユダヤ文化(ヘブライ文化)の神秘思想をカバラといいます。このカバラには暗号の解き方が存在しており、主人公はこれを知っていたため巻物の暗号を解くことが出来ました。作中では置換法(テムラ―)と数値変換(ゲマトリア)の二通りが出てきますが、他にもノタリコンという匿名掲示板の縦読みのような手法も存在しています。

テムラーについては作中で説明しましたので、ここではゲマトリアについて述べます。ヘブライ文字は通常の文字として以外にも、数字として使われることがあります。A(アレフ)なら1,B(ベス)なら2,最後のT(タウ)なら400というように、それぞれの文字は数価を持っているのです。そこで、ある単語に使用されている文字を数価に変えて全部合計し、別の単語も同様にして二つの合計値が等しかった場合、この二つの単語は等価とみなせるとするのがゲマトリアの基本的な考え方です。

いちばん有名なゲマトリアは「獣の数字」でしょう。ヨハネの黙示録に十本の角と7つの頭を持つ獣が出てきますが、この獣を表す数字が「666」であると書かれています。この獣はローマ皇帝ネロを指すと言われていますが、それはネロの名前をギリシャ語表記して更にそれをヘブライ語に直した場合、それぞれの文字の数価の合計が666になるからです。つまり、黙示録はわかりにくい例えを使ってお上を批判していたわけですね。

主人公が「ゲマトリアはめんどくさい」と言っていましたが、この方法で暗号を読み解く場合、文字列の任意の部分を切り取って合計し、同じ数価の単語を探して当てはめるという作業が恐ろしく煩雑で、やたら試行回数を必要とするからです。今だったらAIにやらせれば早そうですが、これを紙と筆でやろうとしたら大変ですよね。

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