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多謝かり 眠りのたけり 息の底

今年最後の締め括り。
その俳句に合わせた想いの短歌返し。

相互罹患に
頁の底で
息をする
それでも灯す
あなたへの文

この短歌は、「読む者と書く者が、同じ痛みを共有している状態」を指しています。
「相互罹患に」は、書き手だけが孤独なのではなく、読む側もまた、言葉に触れることで何かを患い、傷つき、共鳴していることを示します。言葉は一方通行ではなく、互いの心に影を落とすものだという前提がここにあります。
「頁の底で 息をする」は、読まれないまま沈んだ言葉が、それでも死んではいないことの比喩です。忘れられ、埋もれていても、言葉は静かに生き続けている。
「それでも灯す」は、評価や反応がなくても書き続ける意志を表します。報われないことを承知のうえで、それでも火を絶やさない姿勢です。
「あなたへの文」は、具体的な誰かであり、同時にまだ出会っていない読者そのものです。届くかどうかはわからなくても、「書く理由」は常に相手の存在に向けられている。
全体としてこの短歌は、読まれない悲しさを抱えながらも、言葉を手放さない覚悟と、見えない相手への信頼を静かに語っています。

来年も良き年をお迎えください。

2件のコメント

  • 書きたくて、時間をやりくりして、書いています。読んでもらえたら、嬉しいですが。時々、何故と自分に問うけど、でも、書きたいとしか答えが出ず、自己満足で書くのも、いいかと思います。お互い頑張りましょうね
  • 細月さん
    コメントありがとうございます。
    カクヨムなのに、カクに専念する。
    しかし、ヨムが蔑ろになる自身の戒めを詠みました。
    不器用な自分を許してください。
    という句で、本年を締め括ります。
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