ある高校時代。夕暮れ時の街を歩くと、ふと胸の奥に沈んだ痛みが広がる。あの日、彼と最後に交わした言葉が耳に残って離れない。
優しい笑顔の裏に隠された寂しさに、どうして気づけなかったのだろう。電話一本、手紙一枚、それだけで繋がっていられたはずなのに、私はそれを怠り、彼は静かに遠ざかっていった。
季節は巡り、桜は再び咲いたが、彼の声はもう戻らない。花びらが風に散るたび、掴めなかった時間がこぼれ落ちるようで胸が締め付けられる。
人は失って初めて、その存在の大きさに気づくのだと今さら知った。もし奇跡があるなら、もう一度だけ会いたい。何もいらない、ただ「ありがとう」と伝えるために。
偶には息抜きも必要かもしれません。
私の作品も『ありがとう』と素直に伝えられたら、良かったのに。宣伝失礼いたしました。
https://kakuyomu.jp/works/16818093087318161085