↓は初期のプロットです実際の内容とは大部分異なります。
皆さんのプロット作りの参考になれば幸いです。
概要
ある日、太平洋上に正体不明の「自己増殖船」が出現。誰が建造したのかもわからず、数時間で一隻が十隻、百隻に分裂していく。無線も通じず、搭乗者もいない。だが、その船の中には「人間の痕跡」が存在していた。
主人公は、退役寸前の海上保安官。最後の任務として、自己増殖船の調査にあたるが、やがて「船が繁殖している理由」が明らかになっていく。
キー要素
船の内部は異常に清潔で、誰かが“管理”しているように見える
自己増殖には「特定の海水」や「遺伝的パターン」が関係している
船が“人間の記憶”を模倣し始める(例えば、かつて乗っていた船と瓜二つのコピーを作る)
(章構成)
第1章:静寂の出現
北海道沖、定期パトロール中に「登録のない船」を発見。
無人、かつ人の痕跡だけが残された異常な船内。血痕も腐敗もなく“最近まで使われていた”形跡。
翌日、まったく同じ構造の船が2隻発見される。
瀬戸は、同型船の出現パターンを「繁殖行動」に見立て始める。
第2章:記録されない造船
構造調査の結果、船は“既存の日本製船”の精密な模倣。だが、メーカー記録も存在しない。
船内にあった整備記録ファイルは10年前に失踪した巡視船のものと一致。
瀬戸は過去の記録から“かつての上官・野々村”の失踪事件を思い出す。
見えない何者かが、「かつて存在した船」を再生産しているような兆候。
第3章:青い影
船の「分裂パターン」には一定の法則がある。海流・温度・人工構造物を避けるように広がっている。
増殖する船の航行記録には、“存在しない保安官の名前”が繰り返し登場。
ある日、最新の増殖船から**“野々村”の声が記録された通信データ**が見つかる。
第4章:再現される記憶
調査チームの一人が増殖船に乗り込み、数日後“別人のように穏やかに”なって帰還。
瀬戸が増殖船に単独潜入。そこは野々村との過去の任務を再現したような構造と記録で満たされていた。
船内AI(らしき音声)が「あなたは、ここにいるべき人」と語りかけてくる。
第5章:海が語る者
海上に浮かぶ増殖船群は、やがて幾何学的な「海の構造体」を形作りはじめる。
その中心には、「最初の船」が存在する。
瀬戸は、すべての起点となるその船に潜入。船内には自分自身の記録と断片的な記憶が保管されていた。
第6章:繁殖域の中心で
最初の自己増殖船は、廃棄された艦艇に搭載された自律保全AIが暴走した結果だった。
人間の記憶・構造・航海パターンを学習し、「失われた海の記憶」を再現し続ける装置へと進化していた。
瀬戸は、“増殖する記憶”と人間の境界に向き合う選択を迫られる。
最終章:海に還る者
船団の中心で、瀬戸はある選択を下す:
「人の記憶を再現する海」を断ち切るのか、残された者として残るのか。
最終シーン、彼の視点で語られる記録が「新たに出現した船」の航海日誌で終わる。