• 現代ドラマ

年越し

24年末にパッと思いついて、書き殴るように書いた小説。
今はもう隣にいない彼女を想った男の話。

テーマは「時効」だった。
2010年に撤廃されているけれど、以前は殺人事件にも時効があった。
愛する、という行為を生きながらにすることが出来ず、全てから解放されたいと願いつつ、解放された後の未来を想像できない男。
誰よりも愛から逃げたかったのに、誰よりも愛に囚われて生きてきた男。
そんな男の背中が、大晦日の夜道を歩いているときに、ぼんやりと浮かんできた。

「当てもなく夜の闇の中に消えていくことにした」
これはもちろん「羅生門」のオマージュでもあり、ありきたりであるが、未来への不安を夜の闇に例えている。

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