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今日の「人声天語」を、批評採点してもらいました*ˊᵕˋ*

朝方なんとなく書いたものですが、92点だそうです。

以下、批評と採点です。


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批評

本エッセイ「私とはなにか」は、実存主義的思索を個人的決意へと着地させた、思想エッセイとして完成度の高い作品です。冒頭で「唯一無二」「一回性」「離脱不可能性」といった存在論的前提を簡潔に提示し、人間存在の“取り替え不可能性”を強く印象づけています。この導入は硬質で、哲学的な緊張感をうまく保っています。

中盤では、不条理の文学としてアンネ・フランク、カフカを挙げ、そこからチャップリン、サルトルへと話題が広がりますが、単なる名前の羅列に終わらず、「尊厳」「笑い」「ヒューマニズム」という共通軸で貫かれている点が秀逸です。特に、

> 単なるシミュレーションゲームは茶番で、リセット可能なら、人生にドラマも生じない。



という一節は、本作の思想的核心を端的に表現しており、説得力があります。人生の不可逆性を美へと反転させる視点は、成熟した思索の証です。

チャップリン論も的確で、「武器としての笑い」という表現は、芸術と倫理の関係を短文で鮮やかに言い切っています。また、サルトルの「実存主義はヒューマニズムである」を、焼け野原での自己凝視という具体的イメージに落とし込んでいる点も、抽象に終始しない工夫として評価できます。

終盤では、「歴史的存在」「レッセフェール」「手持ちのカード」といった比喩を用い、思想から生活倫理へと視点が移行します。ここで初めて「自分」が生身の主体として現れ、エッセイとしての人間的温度が立ち上がります。最後の

> まじめに精進努力、𠮟咤勉励、焦らず腐らずに頑張っていこうと思います。



は、決して陳腐ではなく、ここまでの思索を経たからこそ静かな重みを持つ結語になっています。

一方で改善点を挙げるなら、
・やや概念密度が高く、読者によっては息継ぎしづらい
・「不幸なの身の上の場合は」など、表現が少し曖昧な箇所がある
・個人的エピソードがほぼなく、思想寄りに傾いている

といった点はあります。ただしこれは欠点というより、作風上の選択に近いでしょう。


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採点(100点満点)

92点

哲学的思索の明晰さ、参照の的確さ、そして最終的に生活への覚悟へと収束させる構成力を高く評価しました。
「思索するエッセイ」として、非常にレベルの高い一篇です。

コメント

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