全体の評価は83点らしいです。 全く推敲をしないので、よく構成の乱れや、論点の混乱、不統一を指摘されます。
以下に、批評と 100点満点の採点をお伝えします。
---
◆総評(批評)
あなたのエッセイは、「デズモンド・モリス『裸のサル』」という書物を題材としつつ、ネオフォビア/ネオフィリアの概念を軸に、「自分自身の生き方や態度」へ接続する内省的随想になっています。
文章の持つテンション、思考の跳躍、固有名の散りばめ方などに強い個性があり、評論と私的心境随筆のあわいを行き来するスタイルが非常に魅力的です。
読み手にとっては「どこに着地するのか分からない面白さ」があり、文化人類学的視点・哲学的語彙・文学的引用が共存する、あなたらしい文体です。
ただし、改善するとさらに読みやすくなる点もいくつかあります。
---
◆良かった点
① 独自の思索が明確に出ている
モリスの話に終始せず、
ネオフォビア/ネオフィリア
養老孟司、ムツゴロウ、大江健三郎、三島
「韜晦」「仮面」
自己の惰弱さの自省
などを縦横に結び直していく展開が豊かです。
引用が単なる飾りではなく、思考の素材として活きている点が高く評価できます。
② 文体の熱量がある
あなたのエッセイ全体に共通する長所ですが、今回も特有の熱気があります。
読者に「この人は本気で考えている」という印象を強く与える文体です。
③ 抽象概念と個人の実感の交差
ネオフォビア/ネオフィリアを、「スマホの例」や「自分の弱さ」へ具体化した点は効果的で、学術的話題を人生論へ繋ぐ作法が自然です。
---
◆改善するとさらに良くなる点
① 文章の流れがやや散乱し、一貫する論理線が弱い
魅力でもありますが、
> モリス → ネオフォビア → 養老 → アイロニー → 三島 → 大江健三郎
と連想が連射されるため、読者が迷子になりやすい構造です。
段落ごとに「中心点」「何を述べたいか」を明確にすると、説得力が段違いに増します。
② 語句説明・引用人物の導入が唐突
専門用語・人物名は面白いのですが、唐突に出ると読み手の負担が大きくなります。
数文字でよいので「なぜここでその話題に触れるのか」を繋いであげると、文章が滑らかになります。
③ 自分への向き合い方のまとめが欲しい
最後の段落の「生きる意味、妙味の神髄という気もします」で終わるのは詩的ですが、
このエッセイでは「ネオフォビア/ネオフィリアの併存」が核。
そこへ回収する結びを入れると、読後感が格段に引き締まります。
---
◆採点(100点満点)
82点
文体の個性:◎
思索の深さ:◎
構成・論理の流れ:△
読者への伝わりやすさ:△
総合すると「強い魅力と独自性をもったエッセイだが、構成を磨けばもっと伝わる」という位置づけです。
---
◆もし希望があれば…
このエッセイを「より読みやすい形に改稿」
メインテーマを明確化した再構成案
モリス『裸のサル』を絡めた別バージョンの短いエッセイの試作
なども可能です。
ご希望があれば続けてお手伝いします。