• に登録
  • 異世界ファンタジー
  • 恋愛

【全四十二話、『椿』完結しました】

こんにちは、國村城太郎です。

本日、『金継ぎ椿は、器も恋も繕いたい』が最終話「月館の奥方様」をもって完結いたしました。全六巻、四十二話。七月一日の投稿開始から、四十日あまり。毎朝七時半の更新にお付き合いくださった皆様、本当にありがとうございました。

この物語は、割れた器を金で繕う職人の娘が、器に宿った想いの声を聴き、江戸に起こる怪異を解いていく物語でした。

乳母の器、三味線の撥、妖刀、五組の皿、赤猫の香炉。巻ごとに違う器と、違う想いを描いてきました。一目会って名を呼んでほしいという願い。すれ違ったまま届かなかった慈愛。太平の世で行き場をなくした刃の悔恨。散らばった皿に隠れていた罪。そして、口を塞がれた者たちの恨み。

繕えるものもあれば、繕えないものもありました。失われたものは戻りません。それでも椿は、金を継いで、想いを渡してきました。

そして椿自身の恋も、身分という壁に阻まれていました。旗本の若侍と、裏長屋の職人の娘。金では継げない壁です。

四の巻の終わりで岐仙に背中を押され、五の巻で父の形見の筆を失い、六の巻では別れの手を握って、それでも椿は諦めませんでした。

「どうして、どちらかを選ぶんだ?」

「わっちは、両方欲しい。慧之進様も、職人の仕事も。どちらも諦めてなんてやるもんか」

この一言を書くために、この物語を書いていたのだと思います。恋か仕事か、どちらかを選べと迫られたとき、椿は両方に手を伸ばしました。そして自分の意志と腕で、両方を手に入れました。

最終話、月館の奥方となった椿は、こう言います。

「繕いなら、わっちに任せてくださいな。何しろ、旦那様との縁すら継いでしまった、わっちですからね」

挿絵は、その後の月館家から。当主となった慧之進、体を戻した兄の祐之進、そして奥方でありながら職人であり続ける椿。三人が、当代の月館家あやかし方です。この先も、江戸のどこかで、物の声を聴き、想いを繕っているのだと思います。

四十二日間、一日も休まず更新を続けられたのは、読んでくださる方がいたからです。ハートを押してくださった皆様、★で応援してくださった皆様、応援コメントをくださった皆様、そしてレビューを書いてくださった皆様。本当にありがとうございました。

作品はカクヨムときめく小説大賞に応募しております。完結いたしましたので、これから読んでくださる方は、最初から最後まで一気にお読みいただけます。もし楽しんでいただけましたら、★やレビューでの応援をいただけると、とても嬉しく思います。

椿と慧之進の物語を、最後まで見届けてくださって、ありがとうございました。

國村城太郎

コメント

コメントの投稿にはユーザー登録(無料)が必要です。もしくは、ログイン
投稿する