https://kakuyomu.jp/works/1177354054882746106/episodes/2912051599640028397【あらすじ】
王都フィーアの臨時司令室。シグムンド公爵やクレメンス王、レリュートたちは、大陸全土の防衛ラインや反攻作戦について重厚な軍議を交わしていた。 前夜の「盗み聞き」の余韻でからかわれるジークフリードだったが、彼は身分差を乗り越えてティーユを正妻に迎える覚悟を語り、レリュートにも不器用な激励を送る。シグムンドの「愛すべき日常を守るために戦うのだ」という言葉に、世界最高峰の男たちは揺るぎない絆と決意を固めた。 一方、天空の魔城パンデモニウム。人間たちの足掻きを特等席で静観するつもりだったルベルの前に、生き延びていたフィルグ・フォン・アルトカーシャが這いつくばり『聖使』の座を懇願してくる。一瞬で塵にしようとしたルベルだったが、彼を道化として世界会議へ送り込み、ある事実を暴露させることで人類の結束を内側から崩壊させるという、悪趣味な喜劇を思いつく。
【執筆メモ】
少しラブコメ話(乙女たちの秘め事、男共の秘め事)が続いていたので、「さすがに読者も飽きるかな?」と思い、急遽作成した世界会議の続きの様子と、ルベル側の動向を描いたブリッジ回です!
前半は、各国の戦力(ノートラスの機甲師団やロンダルの魔導師団など)がどう動いているのかという重厚な軍議を描きつつ、前回の「執務室の奥」の特大ブーメランでジークフリードを弄るコメディ要素も少し残しました。 しかし、ただのギャグで終わらせず、ジークフリードの「ティーユを正妻にする覚悟」やレリュートへの不器用な激励(絶対に生きて帰ってきて俺を認めさせろ)を入れることで、男たちの熱い絆と「日常を守るための戦い」というシリアスな決意へと、しっかりと着地させることができたと思います。
そして後半は、ルベル視点への切り替えです。
実はルベルは、開催されている世界会議に対して自ら積極的に邪魔をしてやろうとは考えておらず、「人間たちが絶望の中でどう足掻くのか」を高みの見物で静観するつもりでした。 そこに、空気を読まない無粋な男(フィルグ)が「自分を聖使にしてくれ」とのこのこやってきたことで、ルベルは人間たちの結束を乱すための「最悪の不和の種」を思いつきます。
ルベル自身、フィルグの武力や知略には一切期待しておらず、彼がレリュートたちの前に出れば一瞬で斬られることは百も承知です。彼に古代魔導器を持たせて会議場へ送り込んだのは、「成功して人間たちが疑心暗鬼で自滅し始めたら面白くなりそうだな」という、ただの退屈しのぎ(道化としての利用)に過ぎません。
主人公たちが熱い結束を固めた直後に、ルベルの冷徹で悪趣味な「盤面操作」を挟むことで、巨悪の不気味さと、次回のサミット本番に向けた最高の緊張感を生み出せたと思います。