わが家の浴室のドアには二・五次元の金色に輝く小便小僧が貼り付いていた。そして黒と金のツートーンのドアノブと、同じ色の小さい閂(かんぬき)が付いていた。以前の住人の趣味である。
この小僧が嫌で嫌で、幾度か取り外そうと試みたのだが、何の接着剤を使ったのかびくともしないのである。下手をするとドアの木材も一緒に剥がしそうなので、手をこまねいていた。家人もキライだったらしく、ある日気がついたら金色の小僧は真っ白に塗られていた。
さて、この度この浴室のドアを塗り替えることにした。同時に小僧の撤去も決まった。木材が剥がれたら、このために購入したおニューのエポキシパテで埋め、ヤスリで表面を平らにすることにした。小僧め、覚悟せよ。
小僧をドライバーで浮かせようとしてもがっっちり貼り付いて剥がれないので、彫刻刀を使って剥がした。案の定、お安い合板が剥がれてしまった。パテを埋め込んで、乾いたらひたすらヤスリ、ヤスリ、ヤスリ……。
その他の凸凹も修正した。ドアノブもロックも取り替えた。ドアノブは、ノブだけ取り替えればいいかと思ったのだが、古いラッチが引っかかって開けしめが上手くいかない。仕方がないのでラッチも取り替えた。そうすると角芯(ドアの両面にある各ハンドルを繋いでいる軸)の位置がズレてドアノブの取り付け位置も微妙にずれる…… 😞
これが五ミリとかだったらまだいいんだけど、〇・五ミリとか一ミリとかだとネジ穴が被ってしまう。仕方がないのでネジ穴に爪楊枝を突き刺しまくって調整した。美しくはないがドアノブのプレートに隠れてしまうのでいいことにした。
ロックも、デッドボルト(横の棒)と受けの位置が微妙にズレて上手く入らない! どうも受けの台のネジ穴と受けのネジ穴が微妙に合っていないのが原因のようだ。苦肉の策で下の台(プラスチック)を切ってネジ穴の部分を合わせることにした。
このように少し作業しては問題にぶつかり、もにょもにょと対策を講じては次の作業へと進み……としていたので、ドアノブとロックを付けるだけで半日以上かかってしまった。
にっくき小僧の撤去から、ペンキ塗り、ドアノブの交換と数日にわたったドア工事も無事終了した。よく見ると小僧が居た形跡はうっすらと残っているが、小僧本体とおさらばできて満足である。
写真はまっさらになったドアです。
