(身分証明書の要求とルールへの反発)
チケットを預けた日から長くて胃が痛くなるような4日後、厳正な裏付け審査と機械による偽造チェックを経て、銀行から簡易書留の通知手紙を受け取ったゲスカスは、「めんどくせぇ!」と再び怒りといらいらを募らせながら指定銀行へと舞い戻った。
窓口の担当行員と交代した、いかにも堅物そうな男性担当者から、こう告げられる。
「ゲスカス様、お待たせいたしました。ただ、高額賞金の受け渡しには銀行のルール上、お名前とご本人確認のための自動車運転免許証やマイナンバーカードなどの身分証明書、そして登録用の印鑑がどうしても不可欠となります」
この正当かつ厳格な要求に対し、ゲスカスは「あぁん!? 規則、規則って、お前ら銀行員はそればっかじゃんかよクソが!」と激昂し、ルールを厳守しなければ賞金は一歩も外に持ち出せないという銀行側の姿勢に対して、怒りのあまり机をドンと蹴り飛ばして強い不満を爆発させた。
そもそも身分証明書という近代社会の概念自体をまともに理解していない彼は、「免許証なんて持てるわけねぇだろ! 面倒くせぇ!」と大声で不平不満をブチ撒けながらも、賞金のためだけに一旦すごすごと書類を求めて銀行を後にせざるを得なかったのであった。
