今回は、リディアに初めて手を差し伸べた貴族、スミス男爵を紹介します。
■ スミス男爵とは
男爵領を治める領主であり、ロサリンデ夫人の夫、シェリーの父です。
リディアが旅の果てにたどり着いた先で、その正体と志を受け止め、居場所を与えてくれた人。物語の中で、リディアが初めて得た貴族の味方でもあります。
■ 見た目と雰囲気
貴族でありながら、若さを取り繕わない。その姿には、かえって静かな貫禄と、覚悟のようなものがにじんでいます。物腰は落ち着き、言葉は少なく、けれど一つひとつに重みがあります。
■ 性格
冷静で、思慮深く、貴族らしい落ち着きをまとった人物です。
感情を露わにすることは、ほとんどありません。けれどその奥には、領民を想う温かさと、国の行く末を憂う真剣さが確かにあります。
■ 領主としての十年
男爵は、長いあいだ、領地を守り続けてきました。
そんな彼が、評議会の後列で、リディアの所信表明を聞きます。この人ならば、と。長い忍耐の果てに見つけた希望に、男爵はやがて片膝をつき、正式な忠誠を誓います。
■ 我が身を削る覚悟
男爵の老いには、理由があります。
彼は、領民から受け取るはずの魔力を、自ら減らしています。民の寿命を少しでも長らえさせるために、その負担を、我が身で引き受けているのです。
日に日に老いていくその姿こそ、彼がどんな領主であるかの、何よりの証です。
■ 家族
妻ロサリンデを深く信頼し、支え合って生きてきた人です。夫の話になると惚気てしまう夫人と、それを静かに受け止める男爵。穏やかで温かい夫婦です。
娘シェリーにとっても、大きな背中であり続けています。
■ 物語の中での役割
スミス男爵は、リディアの戦いに、最初の足場を与えてくれる人です。
穏やかな屋敷と、そこで芽吹く新しい政策。その土壌を耕したのは、この領主の覚悟でした。
■ 最後に
スミス男爵は、剣を振るう人でも、声を張り上げる人でもありません。
けれど、民のために我が身を差し出せる、静かな強さを持っています。彼のような人がいてくれたからこそ、リディアの理想は、初めて現実へと根を下ろせたのです。
スミス男爵の生き方を、どうか見届けていただけたら嬉しいです。
これからも『ルクセリアの大法官 ― 滅びゆく王国を、法で救う ―』をよろしくお願いいたします。