どうも、灰谷です。
いま、朝の五時を少し前にして、窓の外がようやく白みはじめています。
小説が、書けなくなりそうです。
正確には、「書けるのだけれど、書く理由が見えない」とでも言うべきでしょうか。
いやはや、なんとも厄介な病にかかってしまったようです。
ネタが尽きました。
……笑ってしまうくらい、あっけなく。
この数日間、衝動に任せて、一気に書き上げてきたものたち。
あれは、まぎれもなく私の血であり、言葉の結晶でした。
そして今、それらをひとつ吐き終えた私は、すっかり空になってしまったようです。
「何を、誰に、どう伝えるか」——
考えれば考えるほど、わからなくなっていきます。
もともと物語というものは、
短距離走のように駆け抜けるものではなく、
季節の移ろいのように、静かに、確かに熟すものなのでしょう。
私の想い。
私の記憶。
私の愛。
すでに、小説として昇華されてしまったように感じています。
ならば、次は何を書くべきか。
次は、どこへ向かえばいいのか。
正直なところ、見えません。
霧の中に立ちすくむ旅人のようです。
けれども、不安と同時に、どこかで「また見つかる」という確信もあります。
すみません。
こんなわけのわからない報告を。