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『黄金と血のニューヨーク ― マフィアの帝国』第九章第19話【作品概要・脚注※】

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第九章第19話あらすじ
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 8月4日(火)午前9時、ルイスとヘクターは、エリザベス・ハリントンの息子チャールズと娘アンを、イギリス租界の国際和平小学校へ転校させる手続きを行う。ジェームズ・ハリントンは交易の旅に出てしばらく戻らないという説明にし、2人はエリザベスの親族という立場で手続きに加わる。

 チャールズとアンは英語と中国語を話せるため、学校への転校そのものは順調に進む。だが、この学校は租界上流階級の子どもが通う学校であり、保護者や後見人の国籍、仕事、資産も厳しく見られる。

 ルイスは蓮華金融のオーナーであるため問題なく通る。ヘクターについては、ルイスが所有する四川省南充の石油王という肩書きにした。ヘクターは石油発掘の経験もあったため、この説明は自然に受け入れられる。

 その結果、チャールズとアンの転校が正式に決まる。さらに、ルイスとヘクターも親代わりとして、国際和平小学校のPTA的な組織である租界名士文化協会へ加入することになる。これにより、ルイスたちは租界上流層へ入る正式な足場を得る。

 転校手続きの場で、租界名士文化協会の会長キャサリン・スミスと、副会長の|張美麗《チャン・メイリ》は、ルイスとヘクターに芸術展のパンフレットを渡す。芸術展「新境界――芸術を通じた未来への架け橋」は、新人芸術家の作品展示、ワークショップ、講演会、オークションを行う催しで、租界上流層が集まる重要な社交の場だった。

 ルイスがエリザベスと子どもたちを連れて帰ろうとしたところ、ヘクターがキャサリンと張美麗を連れて来る。ヘクターは2人を、漢口のルイス邸母屋でのバーベキュー料理に招待したと告げる。ルイスは急いで仮母屋へ電話し、料理の準備を命じる。

 午前11時半、ルイスたちは漢口のルイス邸母屋に到着する。母屋は完成しており、執事、料理人、ボディガード兼運転手、庭師、侍女たちが出迎える。主賓はキャサリン・スミスと張美麗で、迎える側はルイス、ヘクター、エリザベス、ソフィアだった。

 食事では、中華のバーベキュー料理としてチャーシューや北京ダックが出され、さらにサウステキサス風のビーフブリスケット、リブ、カルネ・グイサダなども並ぶ。中華とアメリカ南部の料理を組み合わせたもてなしに、キャサリンと張美麗は大いに満足する。

 酒も入り、場は和やかになる。ヘクターは張美麗と親しくなり、ルイスはキャサリンと距離を縮める。食後、酔ったキャサリンはルイスにしなだれかかり、自宅まで送ってほしいと頼む。

 ルイスはキャサリンを、|後花樓《ホウホワロウ》の|皮業巷《ピイエシアン》にあるジョン・スミス邸まで送ることにする。ところが途中で、キャサリンは長江の岸辺に車を停めるよう求める。そこは、川の音だけが聞こえる静かな場所だった。

 長江の岸辺で、キャサリンはバッグから白い包みを取り出す。ルイスは、それがコカインだとすぐに気づく。キャサリンはルイスにも勧め、ルイスは彼女に合わせる形で少量を使う。同時に、キャサリンの中毒を抑えるため、コカイン耐性薬も使わせる。

 やがてコカインの効果が現れ、キャサリンとルイスの距離は一気に近づく。第19話は、ルイスが国際和平小学校と租界名士文化協会を通じて租界上流層へ入り込み、キャサリン・スミスの弱みをつかむ回となる。武力による制圧の次に、社交、学校、芸術、薬物という別の糸で、ルイスはイギリス租界の内側へ食い込んでいく。
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挿絵は、『黄金と血のニューヨーク ― マフィアの帝国』第五、六、七、八、九章地図です。
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