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【試し読み】椿色の弾丸と記憶1〜3話【長文注意】

こんにちはフォッカです。
今回は実験として、小説試し読みを投稿しようと思います。

今から投稿するのは『椿色の弾丸と記憶』。
通称『椿色』は全82話まであるので、全部読むのに骨が折れると思います。
骨が折れすぎてカルシウムが必要不可欠になります。牛乳を飲まないといけません。

……冗談はさておき。

椿色1〜3話まで、ここで載せます。
キャラ・世界観・設定が面白そうでしたら、
3話終わりに作品リンクも貼ってます。
続きをのんびりと読んでみてください。

それではどうぞ↓

【椿色の弾丸と記憶】

【主人公】
柊惺夜《ひいらぎせいや》。
【ヒロイン】
西園寺つばき

【敵組織】
龍康殿徹平《りゅうこんでんてっぺい》。
射守矢フィアナ《いもりやフィアナ》。


【1話】

「少しお話でもしましょうか」

 月が白く光る夜。|白月《しらつき》の吐息が、地上に落ちる|半宵《はんしょう》。
 ビルが並びに並ぶ路地裏。上品な|臙脂色《えんじいろ》のスーツを着ている男性がいた。
 彼は、アスリート並みに筋肉質で、髭の生えた初老。

 スーツの男は、拳銃を構え、目の前にいるサラリーマンの男性に落ち着いた声で質問をする。

「さてさて、えーと山村さん……でしたよね。貴方は『|Not a Sheep《ノット ア シープ》』と言うものをご存知かな?」

 山村は口を強ばりながら、ゆっくり話す。

「ベットでスリープ? なんのことだ? さっぱりわからないぞ、ボケ老人!」

「ふむふむ、わからない…ですか」
「あぁ、そうだ!」

 男は目をぎらつかせる。その姿に龍康殿はゆっくりと笑っている。

「まぁわかるはずもないですよね。だってこれは私の考えた言葉ですから…。ではでは『|Not  a Sheep Oracle Escape《ノット ア シープ オラクル エスケープ》』はご存知かな?」

「それもしらねぇって言っているんだろ! なんだぁ? 老人の言葉遊びってかぁ? アホか! なんで呑気にジジイの超能力者かわかるゲームしている場合なんだよ!」

「まぁまぁ、ここから本題です……とその前にこうしますね」山村の足に弾丸の接吻をお見舞いする。

 山村は頭がよろしくないので、こんな危機的状況なのについ頭に血が上って、つい余計なことを言ってしまうのだ。
 山村は受験を失敗した受験生のように苦しみ嗚咽する。今にも泣き出しそうだ。

「私は老人ではありません、まだ四十七歳ですよ。熟年ではありますが……では略して『NaSOE』とは、いわゆる覚醒者のことです。私は覚醒者を探して、私たち|W・A《ダブルエース》の仲間に加わりたいのです。まだ出来立ての新米チームですから、少しでも武力を上げたいと」

 山村は唇を少し噛み、筋肉質な初老に向かい吠える。

「つまり俺が覚醒者かどうか知りたいってことか?だったら教えてやるよ。『そんなものは存在しねぇ』ただの都市伝説だ。まぁ昔、通っていた学園兵隊なら、いそうと思うがな」


 学園兵隊……すなわち【|School Army Trigger《スクール アーミー トリガー》】のことだ。通称【学園SAT】とも呼ばれている。学園SATとは、戦前、国に認められた学生兵隊学校のことであり、生徒たちは武力に励んでいる。あるものは自衛隊になり、あるものは反社会に染まって闇に堕ちたり、あるものは老後まで家族と過ごしたりしている者もいる。だが最近はどんどん衰退していき、数百校もあった学園SATグループは、いまでは数十校まで減っていた。


 筋肉質の初老はウーンと唸り、自慢の髭を触りながら言う。

「学園兵隊……? 名前だけなら聞いたことありますが、あんまり知りませんね……。まぁ気休めで信じても得しそうですし、偶然目的地が学園兵隊ならば行ってみますね。ありがとうございます」と、筋肉質の初老の弾丸が、山村の肩に命中し、山村は少しずつ息を荒くする。

「い、痛ぇ……。確か『|龍康殿徹平《りゅうこんでん てっぺい》』と言ったよな…。俺が名乗る前にそう言っていた。なんで親切な俺に向かって撃ったんだ?!」

「簡単なことですよ、山村さん。貴方を幸せにする為に撃ったんです」
「……ますますわからねぇよ!」

 山村が突っ込むと|龍康殿《りゅうこんでん》は不思議そうな表情を浮かべる。

「わからない……? そうですよね。幸せというものは目に見えないのでわかりません。ですが無知の知という言葉がありまして。知らないことはとても賢いということです」

「つまり何が言いたい……?」

「私と一緒に幸せというものを考えようということです。さぁ幸せという概念を探しましょう」

 |龍康殿《りゅうこんでん》は山村の体に向かって数発弾丸を放つ。初老の彼にとってこれが幸せな行為だと考えているのだ。 

「うぐっ! だ、ダメだ、理解が追いつかない! 早く逃げないと……!」

 山村は|龍康殿《かれ》がいる場所から逃げるように駆ける。

(は、早く逃げなければ……逃げなければ!)

 すると目の前に色っぽい女性が見えた。銀髪で胸元が開いており男を惑わせそうなフェロモンがただよいそうだ。

 だけど、山村はそういう感情にならず、ただ生き延びる為にその女性に助けを求める。

「そこの人! 助けてください!意味がわからないことを言う髭面の男がいるんですよ!」

「……? 助けてほしいって、私のこと? 髭面……それを見てどう思った?」

「どう思ったって……そりゃイカれてる奴でクソ野郎ですよ。そいつから逃げてきたので警察に通報してください!」

 セクシーな女性は「はぁ……」ため息をつく。

「……私の命の恩人にそう言う無礼なこと思っていたのね。とても残念だけど……」

 彼女は太ももから拳銃を出す。そして山村の額に当たり射殺された。彼からどろっとした鮮血が出る。

「嘘でも褒めてくれたら助かっていたかも、だけどどっちみち救っていたと思うけどね」

 そう、その女性はあの|龍康殿《りゅうこんでん》の部下、テロリストの一員だったのだ。

 彼女の名前は|射守矢《いもりや》フィアナ。テロリストの教えで殺すことは魂を救う為、幸せになるためと教わられている。
 パチパチと拍手音が聞こえた。フィアナは音の方向を見る。|龍康殿《りゅうこんでん》が手を叩きながら歩いていた。

「流石です。|射守矢《いもりや》さん。よくぞ山村さんを救ってくれました。きっと彼も貴女に感謝していると思いますよ」

「ありがとうございます。ですが、この人は|龍康殿《りゅうこんでん》様を侮辱しました。この人の発言は許せないです」

「……大丈夫ですよ。私は何も傷ついていません。ですが我々が持っている呪いによって救われてない可能性もあります」

「そうですね……。|龍康殿《りゅうこんでん》様が恨んでいる女でしたよね」

「ええ、あの女のせいで人々は苦しんでいるのです。私の家族を失った原因でもあります。一刻も早く処刑しなければならない」

「ええ、その人と会ったら必ず始末してあげますのでご安心を」

「|射守矢《いもりや》さん、ありがとうございます。もし私がダメならお願いします。ただし、情を持つ行為はやめておくように」

「わかりました、そこはご安心を」

「大丈夫です。貴女のことは信用していますから。さてまた仲間を集めますか。場合によっては金を使う時もありますが」

 |朧月《おぼろづき》から雲が払い除け、月が綺麗に映る。
 そして、彼らは街から姿を消した――。
 


【2話】

 六月の中旬、その日は快晴であった。
 風も肌に当たりたくなるぐらい清々しく。
 洗濯物を干すにも数分で乾きそうな程の快適な今日。

 とある私立に設立された“学園SAT”ではありきたりな日を皆過ごしている。

 その生徒達は|銃舞《スイーパー》という特殊近接戦闘法を指導が厳しいながら、身体に染み付かせて学んでいるのだ。
 この学園では、ただ学問に励んでいる生徒もいれば部活動に青春を謳歌している学生もいる。

 しかし、国から認められた特殊部隊の-学園SAT-に所属する学生も存在しているのだ。
 学園SATとは、この私立校に設立した特殊部隊であり、日本で唯一の学生兵隊学園でもある。
 特殊急襲部隊と通称が似ているが、直接関係ない。偶然の一致だ。
 そのことについて、設立した会長は反省していた。


 いま学園SATは、体育館に似ている訓練場で|模擬戦《もぎせん》をしている。

(こ、このタイミングで行ける……? いや行けなさそう)

 赤髪でショートヘアの少女は迷っていた。

 彼女は攻めるか否かと|模擬《もぎ》とはいえど究極の選択だ。
 |模擬戦《もぎせん》の内容は五対五のチームで分けて戦い、各チームの一人が王となり真っ白の的をつける。その人をペイント弾でつけられたら負けというものだ。

 もちろん、ほか四人にも的をつけられ、三回塗られたらその人はもう動けない。
 王が敵を撃ってもいいし、攻めてもいいがリスクはつく。
 男女共同でハンデとして男子側は重りがついている。戦闘もままならない。

 |模擬戦《もぎせん》と言いながらも、側から見たらレクリエーションに近い。
 長年事件が起きないのか、実技はほとんど遊びに近い感じになっている。

 そして迷っている少女の名前は『|西園寺《さいおんじ》つばき』というおとなしい女の子。 SAT学年一年生だ。彼女は赤髪のショートヘアで、有名なアイドル並みに可愛く、体型も肉付いておりムチっとしている。

 彼女のチームは王含めて三人しかいなく、相手はまだ五人全員生きている。赤髪の少女自身の的はもう一発塗られている。あと二発撃たれたらもう活動不可能だ。

「私がやられたらもう勝機はない。ここで仕留めないと」
 つばきの状況は物陰に隠れていて、敵は三人いる。しかも気づかれていない。成功すれば一気に逆転できるチャンスだ。

 だが彼女自身、近戦闘は苦手で、下手すれば数に押されてしまう。勝てるかわからない。
 少女は覚悟を決め、敵の後ろの的に向けて撃つ。命中し拳銃をもちながら、戦闘をおこなう格闘法だ。

 この体術は近接戦闘をおこないながら、銃で戦う技法。ショートカットの女の子は学園の兵隊の中で一番弱いと思っているが、銃器は扱えるのだ。近接戦闘も一般人と比べたら充分強い分類になる。

 つばきは銃を持ちながら舞う。まだ拙いながらも、彼女らしく成長したての蝶のごとく優雅に動く。敵三人は全部撃たれて行動不可能となった。

「よし! |奇襲《きしゅう》成功ね。つぎは……」

 少女の背後に弾が当たる音と感触がくる。後ろを振り向くと、見た目が女の子みたいにかわいい中性の男子がいる。

 彼の名前は|朝霧司咲《あさぎりつかさ》。つばきの友達だ。
 その少年は中性的な顔立ちで、紫色の髪をしており、毛先もサラサラ。筋肉はがっしりついており、どことなく優しそうなオーラが出ている。

「|司咲《つかさ》くん……」
「ごめんな、つばき。実はお前の様子をみていたんだ。こっそり隠れてさ」

「つまり、私の作戦はバレバレだったってわけね」
「そういうこと。悪いな、友達なのに騙してしまって」

 つばきは辺り一面をみる。味方を探すために。数秒見渡すと、味方の男子を見つけた。彼も気づいたのか、危機的状態の彼女の方へ向かう。

 少女は安心したが、助けに来てくれたのが王役なのでリスキーだ。しかし、赤髪の女子は勝ちを確信していた。

「いいのよ、|模擬戦《もぎせん》といえどここは戦場。しょうがないわ」
「そうかそれはよかった。んじゃ、つばき。ここで脱落してもらおうか」

「……そうね。ここは私の実力不足だったわね」
「いやそんなことないよ。お前は強い。少なくとも、ここの学園に入学できるだけの実力はあるよ」

「そう? ふふふ、ありがとう|司咲《つかさ》くん」
「ああ、だけど、これは勝たせてもらうよ」

 彼はペイント弾が入った銃の引き金を引こうとした直前。司咲の後ろから数発撃たれる。
 そして、何かの影が動き、不利的状況の女子を助けた。

「?! 撃たれた……、誰に!」

「俺だよ、|親友《しんゆう》」

 中性の男子は前方をみる。別の男子が立っていた。「|柊惺夜《ひいらぎせいや》」それが彼の名前。つばきと同年代だ。
 彼の容姿は青色の髪でツーブロック。そしてキリッとした目、少し筋肉がついている。少し活発系な男子。

「|惺夜《せいや》! おまえ王役だろ! そんなに動いてもいいのか?!」
「なに、当たらなければいいのさ」

「よくわからないことをいって……。悪いがここで倒して、俺らのチームの勝利だ」

【3話】

 |司咲《つかさ》は|的《まと》めがけて発砲するも、|惺夜《せいや》は一瞬で避けてしまう。
 弾をかわしながら、攻撃をする。青髪の男子は重りをつけているのに軽やかな舞いをしている。敵チームの彼も負けじと戦う。

 |司咲《つかさ》も強いほうだが、|惺夜《せいや》にはかなわなかった。撃てども、撃てども当たらない。むしろ、体力が無駄に減っていく。紫髪のほうがピンチに陥る。

「な、いつもどおりあたらないわけですか……」
「ああ、ガンカタのサバゲーで鍛えられたからな」

 ここの世界ではサバゲーに参加できる年齢制限が下げられている。保護者はつかなくてもよく、中学生でも遊べるように安全を確保して楽しめるのだ。

 彼は中学時代にとある人から教わりながら、なんども遊んでいたので、その影響かガンカタも扱えるようになった。

「さて、終わらせますか」

 青髪の彼は相手の的に狙いを定め、弾丸を放つ。
 紫髪の少年は避けようとするも、また一発、弾が撃たれ、避けられない状況。

 彼はそのまま命中してしまう。同時に|司咲《つかさ》は倒れてしまう。

「く、撃たれたからもう動けないな……。すみません|永瀬《ながせ》先輩」
「へえー、|永瀬《ながせ》先輩が王役なんだ。いいこと聞いた。それじゃ勝ち取りますか!」

「大丈夫? |惺夜《せいや》くん。あなたがやられたら私たちの負けよ」
「平気さ、俺がすべて守ってやるよ。つばき」

「|惺夜《せいや》くんたち、残念だけど、もう|永瀬《ながせ》さんを倒しちゃったよ~」

 キザっぽい声が聞こえる。つばき達と同じチームの味方のようだ。

「ええ?! 永瀬先輩を?! いつのまに!」|司咲《つかさ》は|大事《おおごと》のように声を上げる。

「ふふふ、彼女とダンスしていただけなのに、永瀬さんが僕に惚れてやられちゃった」
 キザな男はクスリと笑いながら、話す。

「なわけないだろ!! ぼくがやろうとしたら、こいつに一瞬でやられたんだ!」

 金髪のギャルは怒りながら言う。彼女の名前は『|永瀬春花《ながせしゅんか》』敵チームの王役だった。

 そして、キザの男子は『|天羽凪《あもうなぎ》』。オレンジ色の髪と垂れ目の男性で、惺夜たちの二個先輩だ。

「おやおや? てっきり、僕のためにやられたかと思ったよ」
「ちがうわよ! アンタが強くて手も足も出せなかったんだ!」

「そんなに怒らない。お肌によくないよ~」
「誰のせいだとおもっている?! もういい、後でシンをからかいにいこ」

「|千木楽《ちぎら》くんかい? いいと思うよ。僕もちょっかいだそうかな」

 彼の発言にどんどんイライラが|募《つの》る|春花《しゅんか》。

「だー! ぼくの真似をするな!」

 少し暴れる彼女。それをとめるつばきと司咲。

「永瀬先輩、落ち着いてください。もう模擬戦が終わったので帰りましょう」

 紫髪の少年が正気に戻すように、なだめる。

「そうですよ、そろそろお昼なので一緒にご飯でも食べましょう」

 赤髪の少女もご飯を誘って春花の機嫌を直そうとする。

「2人ともありがとうー。だけど朝にコンビニでご飯買っちゃったから一人で食べるね。誘ってくれてありがとう」彼女は司咲たちを抱きしめた。

「ちょ! ここで抱きしめるのはよくないですよ!」
「いいじゃない! つばきっちも抱きしめているし」

「そういうことではなく、異性同士でこういうのはよくないんじゃないなと」少年はどぎまぎしながら、やさしく注意する。

「そ、そうですよ。一旦離しましょう?」赤髪の女の子は苦笑いをした。

「だーめー。ぼくたち仲良しだからー」金髪の彼女はやめない。

 その光景をみる|惺夜《せいや》が微笑む。
「|永瀬《ながせ》先輩たち仲いいな。それじゃ、俺らは戻りますか」

「そうだね~。僕達戻らないと怒られちゃう~」
「いや、ダンディ厨二病だけでも怒られておけ」

「なんでさ~。べつにいいだろう?」
「俺はお前みたいな態度をしているのが嫌いなんだ。かわいい後輩のためにも代わりに叱られてくれ」

「いつもどおり、僕にきびしいな~。|惺夜《せいや》くんは」
「というわけで、帰ろうぜ三人とも」

 |惺夜《せいや》が声をかけると、みんな抱きしめるのをやめて、彼の方に向かい、そのまま先生のいるところまで戻った。

(|凪《なぎ》に対してこう言ったけど、どっちみち俺ら行動が遅かったから叱られるんだよな)と惺夜は考えていた。

 彼らは戻り、先生に注意されるも想像よりもやさしい言い方だったのでなんとかすんだ。

【試し読み終わり】

――いかがでしたか?
この先、個性的なキャラやビターな展開になっていきます。
途中、親友が敵になり、主人公と戦うことになります。そして、主人公と敵ボスの意外な関係も……。

↓4話です
https://kakuyomu.jp/works/16817330652979717939/episodes/16817330652981345730

↓作品リンクもどうぞ。
https://kakuyomu.jp/works/16817330652979717939

もう一度、最初から読み返しても大丈夫です。
ご自由に読んでいただけると、こちらも嬉しいです。

最後まで読んでいただきありがとうございます。
この作品は初めて書いて完結させた長編ですので、思い出があります。

この作品は若い時に書いたので、文章のエネルギーがありふれすぎている作品ですが、
これからもよろしくお願いします。

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