『あなたはどんな望みでも叶うでしょう』
おみくじを引いたらそんなことが書いてあった。
「ばかばかしい。だったら足音をテンプラの揚がる音に変えてみろってんだ」
おみくじを握りつぶして振り返る。
最初の一歩目で、ジュワッと音がした。
「え?」
その後、チリチリと小さな音が続く。
「うそ……だろ」
徐々に、ピチピチと高い音に変化していく。
いかん、そろそろいい感じに揚げ終わりそうだ。
これは……マズいことになった。
慌てて歩き出すと、ジュワッ、ジュワッとさらに投入される具材。
まってくれ、俺は何を揚げているんだ!?
エビか? レンコンか?
いや、このボリューム感……ナスか?
ちなみにキス天が好きだ!
次々に投入されるテンプラの音を聞きながら歩く。
「ちょ、揚げる音w」
「うまそうな音しやがって」
「おいおい、そりゃ揚げすぎだぜ!」
不本意ながらも町の人気者だ。
沈黙を守る人からも二度見される始末。
なんという非常事態か。
「どうしてこんなことに……」
おみくじをバカにしたから?
でも、あんな願いが叶うなんて思わないだろ!
どんな願いでもかなうなら、この音を変えてくれ!
『どんな音に変えたいですか?』
そんな声が聞こえた気がした。
「いやっほう! これは神託!」
変えられるなら、どんな音がいいか。
『承りました。ご利用ありがとうございました』
「あ、ちょっと待って!?」
つい、最初にイメージしてしまったのだ。
まさか、アレってことはないよな?
おそるおそる、新たな一歩を踏み出す。
すると……。
ちゃらりら、ちゃら~ん♪
ちゃらりら、らん♪
ファミリーマートのフレーズが鳴った。
