• 現代ファンタジー
  • ホラー

今日のタラオ


『あなたはどんな望みでも叶うでしょう』

 おみくじを引いたらそんなことが書いてあった。

「ばかばかしい。だったら足音をテンプラの揚がる音に変えてみろってんだ」

 おみくじを握りつぶして振り返る。

 最初の一歩目で、ジュワッと音がした。

「え?」

 その後、チリチリと小さな音が続く。

「うそ……だろ」

 徐々に、ピチピチと高い音に変化していく。
 いかん、そろそろいい感じに揚げ終わりそうだ。
 これは……マズいことになった。

 慌てて歩き出すと、ジュワッ、ジュワッとさらに投入される具材。
 まってくれ、俺は何を揚げているんだ!?

 エビか? レンコンか?
 いや、このボリューム感……ナスか? 
 ちなみにキス天が好きだ!

 次々に投入されるテンプラの音を聞きながら歩く。

「ちょ、揚げる音w」
「うまそうな音しやがって」
「おいおい、そりゃ揚げすぎだぜ!」

 不本意ながらも町の人気者だ。
 沈黙を守る人からも二度見される始末。
 なんという非常事態か。

「どうしてこんなことに……」

 おみくじをバカにしたから?
 でも、あんな願いが叶うなんて思わないだろ!
 どんな願いでもかなうなら、この音を変えてくれ!

『どんな音に変えたいですか?』

 そんな声が聞こえた気がした。

「いやっほう! これは神託!」

 変えられるなら、どんな音がいいか。

『承りました。ご利用ありがとうございました』

「あ、ちょっと待って!?」

 つい、最初にイメージしてしまったのだ。
 まさか、アレってことはないよな?
 おそるおそる、新たな一歩を踏み出す。

 すると……。

 ちゃらりら、ちゃら~ん♪
  ちゃらりら、らん♪

 ファミリーマートのフレーズが鳴った。

2件のコメント

  • 面白過ぎます。
    足音を聞いて揚げ過ぎとか言う人の頭の中もなかなか。
    ファミマとどっちか迷いますね‼️
  • コメントありがとうございます!

    って、普段より反応多いのなんで!?
コメントの投稿にはユーザー登録(無料)が必要です。もしくは、ログイン
投稿する