日曜日、久しぶりに博多へ足を運び、キャナルシティで『オペラ座の怪人』を観てきました。
実はこの作品、観るのは今回で二度目になります。
それでも――いや、二度目だからこそでしょうか。
改めて、その完成度の高さと、舞台が持つ圧倒的な力に、深く引き込まれました。
まず何よりも心を掴まれるのは、俳優さんたちの「声」です。
一音一音が驚くほど伸びやかで、力強く、そして繊細。
ただ上手い、という言葉では足りず、まるで空間そのものを震わせるような響きがありました。
台詞や歌が耳に届くたび、物語の感情がそのまま胸に流れ込んでくる感覚があります。
そして、精密に作り込まれた舞台セット。
細部まで妥協のない造形と照明の演出が、オペラ座という幻想的で少し不気味な世界を完璧に立ち上げていて、
「舞台を観ている」という意識をいつの間にか忘れさせられます。
豪華でありながらも決して派手すぎず、物語の陰影を際立たせる美しさが印象的でした。
物語の展開を知っているはずなのに、
音楽が鳴り、照明が変わり、俳優さんが動くたびに、自然と息をのんでしまう。
結末へ向かうにつれて、切なさや哀しさ、美しさが重なり合い、
改めて「名作」と呼ばれる理由を実感しました。
観劇を終えて劇場を出たあとも、しばらくは余韻が消えず、
キャナルシティの中を歩きながら、頭の中ではあの旋律が何度も繰り返されていました。
日常から少し離れて、濃密な時間を過ごせた、そんな一日だったと思います。
二回目でもこれだけ心を揺さぶられるのだから、
きっと何度観ても、新しい発見や感じ方がある作品なのだろうと、あらためて思いました。
さて、今日のちょっと昔の写真。今日は、今は廃線になってしまった、江差線の末端部分。江差駅の駅舎です。津軽海峡を臨む景色のいい路線だったんですけどね。
