異世界転生/転移モノのよいところは、異世界を舞台にしているにも関わらず、わかりやすくて、すっと物語の世界に入れるところですよね。
主人公は現代の普通の人間なので感情移入しやすいですし、何の予備知識もなく異世界に飛び込むので、その世界に関する知識がゼロ。
文化の違いに驚くときも主人公と読者は一緒ですし、読者は主人公といっしょに、異世界について少しずつ学んでいくことができるので、敷居が低いんですよね。
(よくあるナーロッパ世界だったらなおさら)
いっぽうSFは真逆で、敷居がとても高いです。
生きている時代が違うので主人公に感情移入するのは難しいし、未来がどんな世界になるかなんて誰にもわからないですから、読者は世界を理解するため、いちいち読解して想像することを繰り返さなくてはなりません。
だから序盤で脱落してしまう人が多いのだと思います。
筆者も学生時代にウィリアム・ギブスンのニューロマンサーに挑んだ時は、2回脱落して3回目にようやく最後まで読めました。
というわけで、SFであるツキハバラでは、冒頭で主人公が誘拐されて月に連れてこられるという展開にしました。場所も時代も違うけれど、異世界転生/転移モノと同じ手法をとったというわけです。
実はアンディー・ウィアーのプロジェクト・ヘイルメアリーの影響も受けているのですが、それはまた別の機会にお話します。