系譜に記された正当な名は、ベノ・ファズ・ノスク
古い冬の精霊語で闇を喰う者、恵みを手にする者、君臨する者を意味する
王城の魔物からの呼称は「若様」「坊ちゃま」
対外的な呼称は「宵闇の森の王」「瘴気の王」「冬の寵愛」
古い高位者からは「冬の若君」「冬の女王の子」「宵闇の子」など
腰までの黒髪、薄い金目、縦の瞳孔を持つ
冬の寵愛を示す星屑のような細やかなダイヤモンドダストがスリーピーススーツの布地に浮き上がる
特に、長めにとったスーツの裾やコートの裾からはスノードームのように絶えず煌めく光が流れ落ちる
古くはエルドラドと命名される前の出立の一団を率いる族長の子
金の一族の中に突如現れた黒髪の子で、産まれた直後、真冬の森に捨てられた
一団は当日中にテントを引き払って森を出て行き、打ち捨てられた子供を不憫に思った冬の精霊が長である女王に届けたもの
以降、ファズとして冬の精霊王の膝元で千年を過ごす間に人間としての機能はほとんど精霊に置き換わった
四精霊の中でも特に気位の高い冬の精霊王の寵愛と加護を一身に受けたことで、系譜には冬の後継者の位置に置かれている
必要な資質から生まれた存在ではないため、司る資質は定められていない
成人してからは冬の一族の中から厳冬の森の一角を譲り受け、そこを領地としており、特に種族にこだわりなく住人を受け入れている
春や夏の精霊もよく出入りするからか、厳冬にも関わらず雪がほとんど降らない
瘴気喰いと呼ばれる特殊体質を持つ
ベノ本人はこの体質を嫌っているものの、そのお陰で人間達の悪意から精霊の森を守っているため、精霊達から重用され敬意を払われている