執筆自体は進んではいますが、ペースはさほど早くないのと、
最終章ということで、終わりに向けて書かないとということで時間を要しています。
まだもうしばらくお待ち下さい。
(個人的には今までの章の中で一番面白くなってると思ってます(小声
((戦闘パートの比重も多くなってるかなぁと
というようなわけで、
更新遅延による謝罪SSとなります。
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「つい欲望に負けて作っちゃったけど……」
リリアナはパリッと音を立てて、ソレを噛み割った。
塩気と食感と旨味。どれをとっても素晴らしかった。
(でもこれはアリアちゃんには食べさせられないかなぁ……)
あくまで予想でしかないが、アリアはジャンキーなものに弱そうに思えた。おそらく……、――いや絶対にハマってしまう。食べ過ぎで可愛さに悪影響が出たら困る。
リリアナは断腸の思いで自分で言い聞かせた。
「ポテトチップスなんてアリアちゃんには食べさせられな――」
「むっ!」
シュバッ!!
聞かれてしまった。
「ポテトチップスと聞こえましたが!!」
アリアが参上してしまった。
「あいや、何でも――」
「ポテトチップスと聞こえましたがっ!?」
ここでリリアナに疑問が浮かんだ。
(やけに迫力が。……もしかしてポテトチップス知ってる? いやでも……?)
アリアを見ると――、
「油で何かを揚げたような美味しいものの匂いがしました!」
いつもと変わらず可愛かった。
リリアナはほっとした。
(アリアちゃんは美味しいものが好きなだから敏感なだけなんだ。変な勘ぐりしちゃった)
目を輝かせるアリア。
「ほほぅ! まさか揚げた芋とは!」
リリアナは微笑んだ。
(こんなネタキャラ枠みたいな超絶可愛い女の子に妙な裏設定なんてあるわけないよね)
「んまい!」
夢中になって頬ばるアリアに、
(ほら、ただのギャグキャラなだけ……)
リリアナは安心した。
(――ん? あれ? ヒロイン……?)
気付いた。
(恋愛ゲームのヒロインがギャグキャラになってる!? 違う! ネタキャラに!! いやどっちも!?!?!?)
リリアナは混乱した。頭の中ではシリアスシーンのアリアも『可愛い』で上書きされてて、要素の一つとして扱われていた。割合としてはシリアス成分が二割程度。残り三割はネタキャラ。残りの五割はギャグキャラ。そして追加で百万倍可愛い。
(ま、まあ可愛いからいいよね)
リリアナは自分を納得させようと頑張った。
パリポリと、ポテトチップスを堪能するアリアの外見は可愛いと言って差し支えない。でも何かが足りてないものがある気がした。
「――そうだ! 今度はオフィーリア様も呼ぼう!」
リリアナは欠けているものに気付いた。ツッコミ役である。
脳内でバーベキュー計画が立てられていく。どうせならもっと多くの人を呼ぼう。
「うん、楽しそう」
「何がですか? ぱりもぐ」
「皆で屋外で色んな食材を焼いて楽しもうかなって」
「おお。それならゴブ肉とか調達しますよ」
「それは食べたくないかなぁ」
「珍味の類は得意です」
「同い年の貴族の人たちも招待するつもりだし、王道で」
「貴族ってのは珍味が好きなものですよ」
「アリアちゃんは珍味食べたいの?」
「いえ、全然」
首を横に振るにアリアに、リリアナは左肩をがくっと落とした。
(アリアちゃんの冗談って、肯定すると冗談じゃなくて本当になるんだよなぁ)
当日は大変になるかもしれない。
(オフィーリア様には苦難と楽しみと苦労と苦労があるかもしれない)
あくまで可能性として。