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〔公開〕「💕欣子皇后の托卵」 第9話 新しい宮家

「💕欣子皇后の托卵」
第9話 新しい宮家
没落した十八世紀の朝廷。無邪気な仮面の下に底知れぬ狂気と淫蕩を秘めた最後の皇女・欣子と、冷徹な知恵袋へ変貌する侍女・志乃。禁断の「托卵」が皇室の血脈を塗り替える。/🐟フランク ✥ ロイド🐟 - カクヨム https://kakuyomu.jp/works/2912051604101518442/episodes/2912051604449690310

※本作は実在の人物・時代・事件を題材にしておりますが、完全なフィクションです。史実とは全く異なる独自の解釈や創作を多分に含んでおり、実在の皇室や歴史的背景を貶める意図は一切ございません。

🔴【一条家・近衛家家系図】
https://kakuyomu.jp/users/betaas864/news/2912051604508120346
🔴【光格関連天皇系図】
https://kakuyomu.jp/users/betaas864/news/2912051604367045747
🔴【霊元天皇から光格天皇までの系図】
https://kakuyomu.jp/users/betaas864/news/2912051604450145610

 この朝廷のただならぬ動きは、瞬時に江戸の幕府首脳部、そして幕政を主導する天才政治家・新井白石の耳へと届くことになった。

 京の都を遠く離れた江戸では、天下の趨勢を握る文人政治家・新井白石が、この朝廷の動きを冷徹に見据えていた。

「上皇の御意図は、あきらかに皇統の備えを厚くすることにある。だが、幕府としてこれをどう受け止めるべきか」

 白石の脳裏にあったのは、武家と朝廷の力関係の均衡であった。朝廷が勝手に勢力を拡大させ、新たな宮家を乱立させることは、幕府の統制を揺るがす火種になりかねない。

 しかし同時に、一国の最高権威である皇統が血の断絶という致命的な危機に陥れば、結果として天下の安定をも揺るがすことにつながる。

「危うい均衡にこそ、真の好機がある」

 白石は、法皇の焦燥と危機感を的確に看破した。ただ抑えつけるのではなく、幕府主導の秩序のもとでこれを容認し、むしろ「朝幕の安定基盤」として取り込むことこそが賢明であると判断したのである。

 1710年、宝永七年。欣子内親王の時代から七十数年の昔の霊元天皇の御代の頃。

 京の御所と江戸の幕府の間で、水面下の激しい折衝と沈黙の駆け引きが続けられた末、ついに歴史の歯車が大きく動いた。

 江戸城の奥むき、白石の執務室には、京都から送達された朝廷からの極秘の打診書が広げられていた。そこには、東山天皇の第6皇子である直仁親王を出家させず、新たに「閑院宮家」を創設したいという霊元法皇の強い意向が記されていた。

 白石は、その文書を静かに置くと、自らの考えを整理するように筆を執り、幕府としての見解を起草していった。

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