みなさま、いかがお過ごしでしょうか。
安藤栞と申します。
現在執筆中の作品、「あなたの特別になりたい」を読んでくれて、ありがとうございます。
自分の価値観や思想がかなり強く出ている作品ではありますが、評価してくれる人がいてくれるのをとても嬉しく感じています。
現在、第五話の執筆中でありますが、少し青柳唯という女の子についてのお話がしたく、近況ノートを書かせていただきました。
青柳唯のキャラクターを固め、皆さんに彼女を通して世界観を知ってもらうために、わたししか知らない世界を誰かに知ってもらうために。
-青柳唯という女の子の話-
青柳唯は障害者です。
生活に支障が出るほどの超人的な聴覚を持ち、それは耳栓という小さなプラスチックとゴムの塊によって制御されています。
現実で耳栓をつける人を見たら、あなたはどう思うでしょうか?
わたしはそれに対する答えを持ちません。
なぜなら、わたしも障害者だからです。
生活に支障が出るほどの聴力と耳栓は、彼女とわたしの共通点であり、わたしが青柳唯を生み出した理由でもあります。
しかし、わたしは小説を書くために青柳唯に極めて近い視点でものを見ることができますが、わたしは青柳唯にはなれません。そして、これを見てくださる皆さんの知る青柳唯と、わたしの知る青柳唯はきっと別人です。
それが彼女の言う、「世界はわたしだけのもの」という言葉の意味になります。
同じものでも見る人が変われば感想も変わる。
自分の価値観は世界で唯一のものであり、他人によって捻じ曲げられてはいけないものであるとわたしと青柳唯は考えています。
わたしと彼女は健常者の人生を知らず、理想と現実のギャップに苦しむことがあります。
そんな時、わたしと彼女は唱えるのです。
「世界はわたしだけのもの」
と。
自分は他人とは違うと言うことを再認識するために。
「自分を好きにならないといけない」「自分を受け入れないといけない」ではなく、それを認識することで、自分がしたいこと、自分の欲しいものを考えるのです。
わたしの書く小説がたくさんの人に届くことを祈って、そして願わくば、誰かの力になることを祈って。
2025年3月13日
安藤 栞