トランプは、ただの52枚のカードです。ところが犯罪者に配ってみると、なぜかそこに手口や思考回路が出てきます。ババ抜きでは危険な役割を他人に押しつけ、ダウトでは嘘を信じさせ、神経衰弱では断片的な情報を覚え、七並べでは相手の逃げ道を塞ぎ、ポーカーでは弱い手札ほど強そうに見せる。
よく考えると、これ、犯罪の構造にもかなり似ています。
ババ抜きは「特殊詐欺グループの責任押しつけ」。ダウトは「結婚詐欺」。神経衰弱は「ストーカーによる情報収集」。七並べは「DVによる選択肢の封鎖」。ポーカーは「投資詐欺のハッタリ」。大富豪は「組織犯罪」。ブラックジャックは「あと一回を続けさせるギャンブル詐欺」。スピードは「考える時間を奪う強盗」。ページワンは「少しずつ減らして気づかせない横領」。
そこで本作では、13種類のトランプゲームについて、基本ルールだけでなく、どんな犯罪者が強いのか、どんな人が被害を受けやすいのか、犯罪者は相手のどんな心理や状況を利用するのかまで、人間観察と社会風刺を交えながら見ていきます。
カードを配っただけなのに、なぜか犯罪が始まる。
たぶん怖いのは、カードではありません。使う人間のほうです。
よかったら、お付き合いください。
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