2話では神様から政略結婚の申し込みがあります。
神話と結婚、さらに政略結婚について語り出すと、紙幅が足りません。
国とは人の集まりであり、それを束ねる仕組みの一つとして神話があるのです。
判り易いところだと、結婚式を神社や教会で挙げるという形で、現在にも神話と結婚の関係性が繋がっています。
そして、神と人間が結ばれる異類婚姻譚は世界中にあります。
日本なら、『古事記』にある大物主大神と活玉依姫の神婚譚。
夜ごと姫のもとを訪れる美しい男の正体を調べてみたら、三輪山の神様だった、というお話です。
西洋なら、クピド(エロス)と人間の王女プシュケ。
神である夫の姿を見てはいけないという約束を破ったことで離別し、プシュケが数々の試練を乗り越えた末、神の仲間となって結ばれます。
インドでは、『マハーバーラタ』に登場する女神ガンガーと人間の王シャーンタヌ。
ガンジス川そのものである女神が王と結婚するのですが、こちらは「神様と結婚できてめでたしめでたし」とはいかない、なかなか凄絶な話です。
こうして並べると、人間は昔からずいぶん神様と結婚しています。
そして結婚というものは、個人と個人だけではなく、家と家、共同体と共同体を結びつける仕組みとしても長く使われてきました。
つまり、「神様から政略結婚を申し込まれる」というのは、考えてみれば割と由緒正しい組み合わせなのです。
……などと考え始めると、神話学だの婚姻制度だの共同体論だのを延々と調べ始めるので、だいたい良くありません。ステイ。神話オタク、ステイステイ。
本作はラブコメです。
ですので難しい話はほどほどにして、
「神様が結婚を断られて拗ねたらどうなるのか」
を考えました。
結果、雷が落ちました。
神様だから仕方ありません。
第2話
「お嬢、神様の嫁に推薦されました」
お楽しみいただければ幸いです。