何かと話題のAIをどのように使っているか、現在連載中の「久我探偵事務所の灯りの下で」(https://kakuyomu.jp/works/822139839194830926)の場合について、明記しておきます。
まず、こちらの作品はAI見抜けるかクイズの「久我探偵事務所のBLな日常」(https://kakuyomu.jp/works/822139838308899640)から生まれた作品です。
AIポン出しと少し手を加えたもの、100%人力のもの、どれがどれだか分かりますか? というお遊びの小説です。
最初のプロンプト(指示)は、以下。
”息抜きに新しい小説を書きたいです。
現在思い浮かんでいるのは「BL探偵事務所」というキーワードです。
まずは所長、探偵、助手の3人を考えてください。”
これで3人のだいたいの設定ができたのですが、ChatGPTは私の癖をよく理解しているようで、真壁(後の間遠)が好みだったため、真壁総受けの方向で作っていくことにしました。
キャラクターの設定がまとまったところで小説を書かせました。クイズにするのが目的のため、細かい指示は出さず、AIにお任せです。
しかし、あまりに拙い出来だったので納得がいくまでやり直しました。
本題の「久我探偵事務所の灯りの下で」は、先のお遊びで作った設定を気に入ったため、長編化したものです。
所長の「久我理人」は「久我健人」に、「真壁桜」は「間遠桜」にして、「二宮統真」は消えました。
新しく「神崎寿直」と「相楽浩介」を登場させて、2組のカップルの恋愛模様を描いていくことにしたのです。
ちなみにキャラクターの名前ですが、AIに出してもらったものをそのまま使うこともあるし、私が考えることもあります。
たとえば「間遠桜」は結果的に私が考えた名前になりました。「真壁」はAIが出してくれた名前だったんですが、なんとなく字面が好きじゃなかったので。
「桜」は私が考えています。植物の名前にしたいなと思ったので。
長編化にあたり、実は最初に考えていたのは、新入りのアルバイトを主人公(語り手)にする、というものでした。
行方不明になった恋人を探してもらうため、探偵事務所を訪れたものの、依頼料が高くて払えない。それならバイトをしないかと所長に持ちかけられて……といったものでした。
しかし、これが頓挫。AIにキャラクター設定をいっぱい考えてもらったんですが、どうしても主人公が書けない。
書き始めてみたら書けるかも、と思ったけどやっぱり無理でした。
執筆前チェックリストまで作らせて準備をしたのに、書けない時ってどうしても書けないんですよね。
で、この主人公を消しました。
プロットを再構成して、連作短編集に変更。三人称でエピソードごとに視点人物を変えていくことに。
あくまでも主人公は探偵事務所にいる4人と決めて、やっと書けるようになりました。
プロットのアイデア出しもAIにやってもらっていますが、そのまま使うことはなく、AIのアイデアを参考に自分で考えています。
校正や誤字脱字の修正は自力でできるので、AIにやらせたことは一度もありません。
モチベーションが低下した時や出来にしっくりこない時、AIに読み込ませて感想をもらうことはあります。だいたい「良い点と改善すべき点を教えてください」と指示しています。
また、実際の探偵事務所について調べるのに、AIを使っています。
ミステリー小説によくある殺人事件を推理する探偵ではなく、あくまでも現実寄りの探偵事務所なので。
BLカップルの恋愛模様を描くのに邪魔しないよう、あえて日常の謎にしました。これは私自身が考えて決めた方針です。
依頼人の名前は、最近は「すごい名前生成器」(https://namegen.jp/)を利用しています。
AIは出してくる名前にパターンがあるため、似通っちゃうんですよね。たとえば「悠真」とか、もう何回見たか分からないぐらい出てきます。
クイズの方にいた「二宮統真」なんかも、いかにもAIの考えた名前ですよね。
あと、今後の更新でとある暗号が出てくるんですけど、それもAIにアイデアを出してもらいました。
暗号を考えるの苦手なので、AIの力を借りられる現代は素晴らしいと思います。
だいたい、こんなものでしょうか。
「久我探偵事務所の灯りの下で」の本文には一切利用していませんし、今後も使うことはありません。
しかしながら、この数日間だけでどんどんAIが進化しています。いずれ人力で書いたものと差がない小説が書けてしまうと思うので、物書きの端くれとして危機感を抱いています。
とはいえ、それもまた時代の流れだとも思います。うまくAIと付き合っていけるよう、もうしばらく模索する必要がありそうです。
画像は自分で描いた絵をChatGPTでimg2imgし、加筆修正したものです。