• 異世界ファンタジー
  • ホラー

それが、僕が小説を書く理由だ。

あの彼女のことが心の底から恐ろしいから、 僕は彼女を突き放したい、遠くへ逃げ去ってしまいたい。
底知れぬ谷底へと身を投げ、塵となって消えてしまいたい。

けれど、彼女のことを心の底から愛してしまったから、 僕は前へ、彼女の気高い背中を追いかけて走らなきゃいけない。
転んでも、狂ったように走り続けて、それでも走るしかないんだ。
いつか、彼女が立っているあの場所にたどり着けるという、 その希望だけを胸に抱いて。

それが、僕が小説を書く理由だ。

コメント

コメントの投稿にはユーザー登録(無料)が必要です。もしくは、ログイン
投稿する