カクヨムコンテスト11の異世界ファンタジー【女性主人公】部門に応募している本作について、キリのいいところまで公開したので、再び執筆の経緯を語ります。
ネタバレがあるので、第2章を最後まで読んでない人は全力で逃げるか、最後まで読んでくるかしてください。
契約魔女ふたりぐらし
https://kakuyomu.jp/works/16818622170943450424中世ヨーロッパはネタの宝庫──。
まず第2章にてウキウキでパクった歴史ネタたちを紹介します。中世ヨーロッパじゃないもの含め沢山パクりました。楽しいです。
追加でネタにした物:ローマ帝国、オスマン帝国、十字軍遠征、ジャンヌ・ダルク、マムルーク朝、サンティアゴ・デ・コンポステーラの巡礼路、ジプシー(シンティ・ロマ)、他。
中世ヨーロッパで魔女といえばジャンヌも欠かせないだろうと思ったので、今回のリンシーの話ではオルレアンの防衛戦を意識しました。
マムルーク朝は十字軍の時代に頑張ったイスラム王朝の一つで、魔界の設定の参考にしました。
王朝を建てた初代スルタンは、異民族で奴隷身分出身の女性シャジャル・アッ=ドゥッルです。かっこよすぎか。その後もスルタンは奴隷身分の軍人から輩出されており、基本的に世襲ではなく実力主義だったとか。
ジプシー(ロマと呼称すべきかもしれませんが、ここでは時代感統一のためにジプシーと呼びます)に関しては、ラーミル人の踊りや音楽の描写の参考にしました。
キャラの話に移ります。
今回の章末で紹介した新キャラたちはみんな権力者であり、みんな男性です。魔女をやる以上は避けられないテーマだと思っています。でも三人とも悪役ではないです。
今回、いわゆる悪役として設定しているキャラはいません。敵キャラや悪いキャラはいますが、悪役とは少しニュアンスが違うので……。
今作で起きている壮大な拗れの原因は、個人ではなく、社会的な身分や出自の間の確執に帰するものだと思っています。なので第2章では色んな立場の人を書けて良かったです。
フィーリヒ:有能なのは確定事項でしたが、性格や思想は主役回が来るまで不明だったので、予想以上に良い奴が出てきて少し驚きました。曲者で策士な面が目立ちますが、それも民を思う心あってこそ。根っこにはしっかりと善性と責任感があるようです。でも皇帝なので傲慢さは併せ持ちます。
ヴァクラウル:ビジュアルを決める内に性格が決まりました。いつもフリー素材サイトで外見を決めていくんですが、何となく作っていたら、穏やかで色気のある褐色男子が出来上がりました。絶対物腰柔らかいし親孝行するじゃんと思いました。でも魔王なので強引さは併せ持ちます。
ジャダムン:最初は魔王の補佐役のモブとして配置しただけでしたが、設定が決まるにつれトップクラスにキツい立場になったため、視点人物の一人に昇格。お陰で魔界の描写も沢山できて、世界観がぐっと広がりました。強靭な自制心を持ちますが、相当な無理をしている模様。彼の体調不良は執筆当時の私の状態を参考にしています。
スタートダッシュとして分かりやすさとワクワク感を優先した第1章に比べ、第2章は複雑さと深みを出すために色々な情報を開示しました。
第3章では、最終章にジャンプアップできるよう、もっと展開を進めていこうと思います。
これまで読んでくださった方々に改めて御礼申し上げます。
今後ともよろしくお願いします。
人物イラストは「やわらかめのネコヤギ」様より
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