とまそぼろ

夕ヶ波高校演劇部。そこに集う熱れとは、 並々ならぬものばかりである。 玲瓏な輝きをその身に得るため、 或いは賢しく研くため。 転ばないため。助けるため。灘めく明日を凌ぐため。 …

誰だって、忘れられたくはないだろう？ 目を引くだけの象りひとつも手繰らないくせにね。

それなり細々とやっていた作家：紺原泉火は、 契約している編集部の担当編集から『人の心を分かろうともしない横柄』と唾棄され軒並み縁を切られたことで、とあるカフェにて憂いていた。 …

多彩(カラフル)な人間から目を背け続けていた少年 遊佐千砂郎(ゆざ せんさろう)の、齢十五のとある６月。 小景部という物珍しい部活で過ごすこととなった彼は、少しずつ己を理解して…

おせちに聳える、蓮根をかじる音が聴こえる。

役者業に疲れた俳優。 鬱屈とした日々に住む少年。 ふたりを繋ぐはひとつの映画。 荒くてきれいなその映画。 青めく白波、そのうねり。 それが打つ浜の美しさ。 いつか遠のく、その…

題名(読み)：雪蝉(ゆきせみ) 筆名(読み)：ゆ愁い(ゆうれい) ４００字詰め原稿用紙換算：５枚 本名(読み)：⬛︎⬛︎ ⬛︎⬛︎(⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎ ⬛︎⬛︎⬛︎) 生年…

じゆうないしを遂げるふたりの、 10首の小さな物語です。

あなただったばらばらを、甘く煮詰めて。

あっさりしてて小っちゃい悠心(ゆうみ)。 大っきくて感情豊かな絃葉(いとは)。 優しさカンスト、いつでも穏やかな命(めい)。 奔放で自分のペースを乱さない小霧(さぎり)。 好奇心…

愛し子よ、鬱屈の末に羊を食み、醜く膨れた愛し子よ。せめて世界ではなく、愛ある世界ではなく、ぼくを恨んでくれたまえ。