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💯雪の残る湯宿、第4話 僻地の落人村

💯雪の残る湯宿、https://x.gd/Gacci
 山奥の小さな宿で中年男と壊れたゴスロリ少女の凍てついた夜が始まろうとしていた。
 東京大学編
 第3話 人面瘡
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 第4話 僻地の落人村
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 マアちゃんは文化人類学専攻の大学生として、日本の僻地に残る風俗と民俗学を研究していた。彼女のフィールドワークは、大学祭のコスプレ喫茶や病院の出来事から間もなく、夏休みに入って本格化した。

 曾祖母のイタコの血脈からか、マアちゃんには普通の人に見えないものが見える体質があったが、卒論のテーマはあくまで「現代日本の閉鎖集落における婚姻習俗とタブー」だ。超常現象を題材に卒論を書くわけにはいかない。

 大学祭の時の人面瘡の事件で出会った曽根崎医師の紹介で、島根県の奥深い山村を訪れることになった。曽根崎は「私の故郷の近くでずっと山奥に引っ込んだ所に卒論のテーマに見合った村があると思うわ。落人部落の末裔で、外部の目が入りにくいところなんだけど……」と連絡をくれたのだ。

 東京から新幹線で岡山へ、そこからローカル線で松江へ、さらにバスで山道を二時間。村の名前は「藤の里」。平安時代の落人たちが、藤原氏の末裔として隠れ住んだとされる場所だった。平安末期の源平合戦や承久の乱で敗れた貴族や武士たちが、追っ手を逃れて山奥に落ち延び、村を形成したのが始まりだという。

 藤原氏の家臣団が中心で、村の名字は藤原、佐藤、斎藤に集中する。外部の敵から守るために、村を完全に閉鎖し、婚姻も村内で完結させる風習が生まれた。財産と血統を外部に流さないよう、近親婚が奨励され、叔父姪婚や叔母甥婚が暗黙の了解となった。時代が下るにつれ、江戸時代の農村閉鎖性や明治の戸籍制度が加わり、風習はさらに固定化された。現代でも、村の人口減少を防ぐため、こうした婚姻が「家を守るための必要悪」として語り継がれている。

 村の人口は三百人あまり、その九割が藤原、佐藤、斎藤の三姓。バスを降りたマアちゃんは、ゴスロリのドレスではなく、シンプルなジーンズとTシャツにバックパックを背負い、村の入り口で待っていた地元の民宿の主人に迎えられた。主人は五十代の男で、佐藤姓だった。

 加賀山代温泉編 完結
 第1話 雪の残る湯宿
 https://x.gd/usG6F
 第2話 とびっきり変わっている娘
 https://x.gd/5MuWJ
 第3話 奈津子
 https://x.gd/yYiWp
 第4話 成仏するの?しないの?
 https://x.gd/lavYD
 第5話 雪灯りの五人
 https://x.gd/1fd0t
 第6話 浩一
 https://x.gd/9VSCw
 第7話 最後の逢瀬
 https://x.gd/C9CZn
 第8話 これからどうしようかしら?
 https://x.gd/EaEug
 
 東京大学編
 第1話 後始末
 https://x.gd/PrSTH
 第2話 東京へ
 https://x.gd/szjAT

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