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⚓「新奴隷商人 ア・ヌンナック編」、第11話 生存か絶滅か1

⚓「新奴隷商人 ア・ヌンナック編」、https://bit.ly/3RFeUMj
 10万年前に起こった知的生命体がなぜ地球に飛来し人類の祖先を産んだのか?
 第11話 生存か絶滅か1
 https://x.gd/nQDXy

《《量子通信会議》》
《《2025年から1万2790年前》》

 アララト山の簡素なシェルターでは、雪混じりの風が岩壁の隙間を抜け、焦げた金属と凍てつく土の匂いが漂っていた。アスクレピオス大佐♂は、たき火のそばで量子通信装置のホログラム投影を調整し、5つのコロニーに分散した生存者を結ぶ仮想会議の準備を整えた。

 エルピスⅠ号の着陸時の衝撃で124名が死亡し、壊滅的な墜落から生き延びた健康者・軽症者、3,764名、重症者、972名、合計4,736名だった。彼らは、量子通信の粒子の糸で結ばれていた。

 この夜、12人のア・ヌンナック星人のリーダーが、各地からホログラムを通じて集った。彼らは、軍人、元受刑者、精神的に不安定な者たちの雑多な集団で、宇宙船の墜落という共通のトラウマで結ばれていた。冷たく輝く星空は、遠く離れたア・ヌンナック星の故郷を無情に思い起こさせ、生存者たちの胸に希望と絶望の両方を刻み込んでいた。

 核融合炉の重水素燃料は日々減少し、かつて高度な計算を担ったバイオAIシステムはオフラインに追い込まれていた。残されたのは、有機的な肉体と神経プロセッサを融合させたヒューマノイド形態の彼ら自身と、1,250台の人工培養装置だけだった。これらの装置は、老化した肉体の修復や新たな肉体生成に不可欠だったが、資源の制約がその可能性を厳しく縛っていた。会議は種の存続を賭けた議論であり、アスクレピオス♂がアララト山から重い責任感を胸に主導した。

 ナイル大三角州から参加するアフロダイテ中佐♀は、士官学校の厳格な教師として鍛えられた規律正しい姿勢で、ホログラムの鋭い視線を全員に投げかけた。彼女の存在は、議論の秩序を保つ錨だった。

 同じくナイルのパンドラ少佐♀は、データタブレットの薄暗い光に照らされながら、生存者データと資源の詳細を入念に確認していた。彼女の冷静な分析は、混沌とした状況での羅針盤だった。

 他のメンバーも各地からホログラムで参加した。ナイルの士官学校生徒、エレクトラ曹長♀とキルケ三曹♀は、若さと情熱を帯びた声で議論に臨んだ。シベリアの凍てつくツンドラから参加するシシュフォス元准将♂は、かつて艦隊を率いた威厳を残しつつ、反乱の過去を背負った重い表情を見せた。同じくシベリアのメドウサ元三曹♀は、精神の不安定さを抑えきれず、時折狂気的な笑い声を通信越しに響かせた。

 アララト山のエリス元大佐♀とインダスのプロメテウス元大尉♂は、現実的かつ戦略的な視点で議論を牽引。インダス川流域の温暖な農地から参加するエピメテウス元少尉♂は、兄プロメテウス♂への依存を隠せない弱々しい声で発言した。

 黒海沿岸の漁業コロニーからは、ネメシス元准尉♀とタレイア元曹長♀が、不安定な感情を滲ませながら議論に加わった。彼らのホログラムは、たき火の揺れる光に映し出され、絶望と反抗の入り混じった雰囲気を漂わせていた。

 プロローグ、クローヴィス彗星
 https://x.gd/LRlLK
 ア・ヌンナック編
 第1話 ア・ヌンナック年代記
 https://x.gd/601Oy
 第2話 ア・ヌンナックⅡ号の内部構造
 https://x.gd/ndpi8
 第3話 ア・ヌンナックⅡ号の駆動方式
 https://x.gd/4ZPcO
 第4話 惑星間航行船エルピス(Elpis)Ⅰ号、Ⅱ号
 https://x.gd/JDADu
 第5話 ア・ヌンナック人の形態の変遷 改訂版
 https://x.gd/Nnu0w
 第6話 ア・ヌンナックⅡ号の墜落 改訂版
 https://x.gd/3SldR
 第7話 エルピスⅠ号の墜落(純粋知性体β)
 https://x.gd/AUdDc
 第8話 エルピスⅠ号の墜落1 改訂版
 https://x.gd/kAhJz
 第9話 エルピスⅠ号の墜落2 改訂版
 https://x.gd/b21ka
 第10話 エルピスⅡ号の墜落
 https://x.gd/a6RLd

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