https://kakuyomu.jp/works/822139840774470790/episodes/822139840885230626エルどう、第18話「夜の電話と、ふたつの番号」を公開しました。
今回は、えだがわ動物クリニックと
ライフペット総合医療センター潮見台のあいだに架かる、
“夜の橋”の話です。
待合室の壁に貼られた一枚の紙。
昼間・普段の診察やお薬 → えだがわ動物クリニック
夜間・急な呼吸困難やけいれん → 潮見台センター夜間救急
という、ふたつの電話番号。
「うちじゃ全部できない」という現実と、
それでも「できるだけを続ける」ために、
院長があえてセンターの番号まで貼るところから物語が動きます。
心臓が悪い中型犬・ブン。
『よるのくるしさは、しらないひとでも、いい。
でも、“くるしい”っていったあとで、“どうだった”ってきいてくれるひとは、ここがいい』
という声とともに、
夜中の発作 → センターへの夜間搬送 → 翌朝「一番目の匂いの場所(えだがわ)」に戻ってくる流れは、
まさに“ふたつの番号”が救った命のエピソードになっています。
院長の
「センターが“夜の橋”なら、こっちは“昼の土台”だ」
というセリフや、
リリが「昔は“神殿に祈るか諦めるか”しかなかった」と振り返るところで、
この街が“選び方のある世界”になっていることが、静かに浮かび上がる回です。
ここまで読んでくださっている皆さん、本当にありがとうございます。
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第1部は第28話で一区切りの予定です。
木のドアの古い病院と、白い壁の新しい病院。
そのあいだをつなぐ“ふたつの番号”と、“あけてくれる手”と、“きいてくれる耳”の話を、
もう少しだけ追いかけていきます。
これからも、元・聖女と、聖女を信じない獣医と、ギャル系トリマーがいる
この小さな場所を見守ってもらえたらうれしいです。